現代文キーワード250語を評論で読み切るためのデッキ

評論は、語を訳せるかではなく、文中でその語が何をさせられているかで差がつく。

250枚最終更新 2026-08-30
このデッキをアプリに追加

無料プランのまま全カードを追加できます。取り込み時にAI生成を実行しないので、AIクレジットも減りません。追加にはMemlyのアカウントが必要です。

現代文の評論で止まるのは、知らない語に出会ったときだけではありません。意味は見たことがあるのに、対になる語や前提が拾えず、設問になると外す。『近代』『文化』『捨象』のような語も、辞書的な語釈だけでは足りず、その段落で何を切り分け、何とぶつけられているかまで見ないと読みにくいままです。 このデッキは、そういう評論語を語ごとに切り出し、裏面に『意味』『要点』『例』を置いて整理します。収録は250枚。近代と社会(45)、言語と記号(40)、自己と他者(40)、文化と表象(40)、科学と自然(40)、論の運び(45)に分かれ、近代の原理、公共と共同体、資本と制度、記号論、修辞、テクスト論、自己形成、関係と規範、内面と身体、排除と疎外まで、語の働きと周辺の対立が追えるようにしてあります。 復習が間隔反復に乗ると、すでに答えられる語は前に出すぎず、曖昧な語や取り違えやすい語だけが戻ってきます。語釈だけを覚えて進むのでなく、要点と例まで含めて答えられるかで残るカードが変わるので、読解で抜けやすい前提や対義の取りこぼしが見えやすくなります。反対に、このデッキは作品別の背景説明や長い本文引用は入れていません。語が文中で果たす役割と、どの語と組で働くかに集中するためです。

追加すると何が起きる?

  1. 1

    ボタンを押すとMemlyが開き、カードが丸ごと自分のデッキに入ります。

  2. 2

    覚え具合に合わせて、次にいつ出すかがカード1枚ずつ決まります。

  3. 3

    追加後は自分のカードなので、書き換えも削除も並べ替えも自由です。

収録カード

全250枚から代表100枚を表示しています。

近代意味:伝統や身分の拘束から離れ、個人と制度を作り替える時代原理として議論の軸になる語。 要点:前近代との対比で語られ、国家、市場、法、個人の分化と自立を前提にする。 例:この作品は、近代がもたらした自由と孤立を同時に描いている。
自律意味:外からの命令ではなく、自ら立てた規範に従って行為できる主体性を示す語。 要点:他律との対比で用いられ、近代的個人や市民の成立条件として置かれる。 例:教育の目的は、従順さよりも自律を育てることにある。
市民社会意味:国家に吸収されない自発的な結社や討議の領域を示し、民主主義の土台として使われる語。 要点:国家や市場と区別される中間領域で、個人が公共的に関わる場を前提にする。 例:市民社会が弱いと、批判の声は行政の外に育ちにくい。
世論意味:個々の意見が媒体や討議を通じて集まり、政治を拘束する力になるときの語。 要点:公共性を支える一方で、感情的同調や操作に流される危うさも前提とされる。 例:世論が高まっても、熟議を欠けば政策は短期的な人気に左右される。
連帯意味:共通の利害や倫理にもとづいて、異なる立場の人々が結びつく可能性を示す語。 要点:共同体の血縁的結合とは異なり、階級、運動、公共的課題を介した横断的結びつきを含む。 例:災害後の連帯が一過性で終わらぬよう、制度的な支えが必要だ。
資本主義意味:利潤追求と市場交換を軸に社会全体の関係が組み替えられる仕組みを捉える語。 要点:市場、賃労働、私的所有を前提とし、階級、合理化、疎外の議論と接続する。 例:資本主義の発展は豊かさを広げたが、生活を価格で測る傾向も強めた。
分業意味:作業を細かく分けることで生産性を上げる仕組みとして、近代社会の組織原理を示す語。 要点:合理化や官僚制と結びつく一方で、労働の断片化や疎外を生む契機にもなる。 例:分業が進むほど、自分の仕事が全体で何を生むか見えにくくなる。
合理化意味:効率、計算可能性、統一的手続きによって行為や制度を組み替える動きを示す語。 要点:近代組織や資本主義の推進力だが、目的そのものの吟味を弱める危険も伴う。 例:病院の合理化が進んでも、患者と向き合う時間まで削ってよいわけではない。
疎外意味:人が自分の労働や関係から切り離され、主体性を失う状態を批判的に示す語。 要点:資本主義、分業、商品化の帰結として論じられ、孤立や無力感の分析に用いられる。 例:成果だけを数値で競う職場では、働く者の疎外が深まりやすい。
格差意味:所得、教育、情報などへのアクセスの偏りを、社会の不平等として可視化する語。 要点:階級の固定化や機会の不平等と結びつき、自己責任論では片づけられない。 例:地域の格差が大きい社会では、努力の前提条件そのものが異なってしまう。
産業化意味:社会の中心が農業や身分秩序から工業生産へ移る転換として、生活様式や時間感覚の変化を論じる軸になる。 要点:都市化や賃金労働の拡大と結びつく。前近代的な共同体の自足性を崩す過程として語られる。 例:産業化が進むにつれて、家の仕事と工場の仕事ははっきり分かれた。
世俗化意味:宗教的権威が社会の唯一の基準でなくなり、制度や判断がこの世の論理で組み立てられる事態を示す。 要点:近代の進行とともに、政治や教育が聖なる秩序から切り離される。信仰の消滅と同義ではない。 例:教育の世俗化によって、学校は教義よりも公共の規則を重んじるようになった。
機能分化意味:社会の諸領域がそれぞれ固有の役割と論理をもって分かれていくことを示す枠組み。 要点:政治、経済、教育などの自立が進む。未分化な共同体像とは対照的に論じられる。 例:機能分化が進んだ社会では、家族が担っていた教育の一部を学校が引き受ける。
中間層意味:上層と下層のあいだで、社会の安定や消費文化を支える担い手として論じられる層。 要点:階級対立の緩和に見えても、内部の分化や没落不安を抱える。大衆化との関係が問われる。 例:中間層の広がりは、持ち家や教育への期待を社会全体に浸透させた。
使用価値意味:物が実際に役立つ側面を押さえ、市場での値段だけでは捉えられない価値を論じるための語。 要点:交換価値と対になる。生活の必要と利潤の論理がずれる場面で重要になる。 例:水の使用価値は高いのに、利益の小ささゆえに供給が切り捨てられることがある。
再生産意味:社会が日々続いていくために、労働力や関係や格差まで含めて繰り返し作り直されることを示す。 要点:単なる生産の反復ではなく、家族、教育、制度が担う。階級やジェンダーの継承とも結びつく。 例:学校は知識を教えるだけでなく、社会の序列を再生産してしまうことがある。
道具的理性意味:目的そのものを問わず、効率よく手段を選ぶ能力だけが肥大した思考を批判するときの語。 要点:合理化の暗い側面を示す。何のためかという価値判断が後退すると、支配に奉仕しやすい。 例:道具的理性が強まると、監視技術は便利さだけを理由に広がっていく。
画一化意味:ちがいが見えにくくなり、振る舞いや価値観が一つの型にそろえられていく傾向を批判的に表す語。 要点:標準化と結びつくが、こちらは結果としての同質化に重心がある。大衆文化とも関わる。 例:画一化された街並みでは、その土地の歴史が感じにくくなる。
記号意味:物や出来事を自然なものではなく、社会的に読まれるしるしとして扱うときの視点。 要点:シニフィアンとシニフィエの結びつきとして捉える。単独でなく差異の体系の中で働く。 例:白衣を清潔の記号として受け取る慣習自体が、ここでは分析の対象になる。
シニフィアン意味:音声や文字の形に注目し、何が言われたかだけでなく、どう表されたかを問うための語。 要点:シニフィエとの対で考える。両者の結びつきは自然でなく恣意的である。 例:詩ではシニフィアンの反復が、主題の不安を先に響かせている。
指示対象意味:語が外部の何を指しているかを確かめ、表現と現実の結びつきを検討するときに使う語。 要点:解釈は指示対象だけで尽きない。コノテーションや文脈が読みを変える。 例:その代名詞の指示対象が曖昧なため、責任の所在までぼやけている。
コード意味:表現を理解可能にしている共有規則を指し、作品と受け手を結ぶ見えない前提を示す語。 要点:個人の感性だけでなく、制度や媒体ごとの慣習に支えられている。 例:この映画は家族ドラマのコードを借りて政治批判を語っている。
レトリック意味:内容を飾るだけでなく、対象の見せ方や判断の方向そのものを組み立てる言語操作を指す。 要点:論証と切り離された外装ではない。比喩や反復を通じて説得を支える。 例:危機というレトリックが、政策への異論を言いにくくしている。
換喩意味:対象そのものでなく、その周辺や一部を示して全体を立ち上げる表現の働きを指す。 要点:類似ではなく隣接や因果の関係で成り立つ。隠喩との対比が基本になる。 例:王冠で国家権力を示す換喩が、その場面の緊張を支配している。
アイロニー意味:表向きの言明と背後の評価をずらし、読者に二重の読みを求める働きを示す語。 要点:字義通りの理解では足りない。話し手と読者の共有前提が必要になる。 例:その丁寧すぎる賛辞は、制度へのアイロニーとして読める。
パロディ意味:既存の言い回しや形式をずらして反復し、その権威や前提を露出させる戦略をいう。 要点:単なる模倣ではなく批評性を持つ。引用や風刺と結びつきやすい。 例:その論考は官僚文書のパロディによって、制度の空疎さを示した。
テクスト意味:作者の意図の容器ではなく、複数の声や規則が編み込まれた読むべき構成体として扱う語。 要点:閉じた全体とみるか、外部へ開かれた連関とみるかが争点になる。 例:この評論は日記を私生活の記録でなく、一つのテクストとして読んでいる。
言説意味:個々の発言を超えて、何が言えるかを規定する知の枠組みや語りの制度を指す。 要点:話者の意図だけでなく、権力と知の関係から分析する視点を含む。 例:健康を自己責任で語る言説が、労働問題を私事化している。
翻訳意味:単なる置き換えでなく、異なる言語と文化の間で意味の配分を調整し直す実践を指す。 要点:一対一の対応は前提にできない。損失と創造が同時に生じる。 例:その詩の翻訳では、韻よりも息づかいの再現が重視されている。
表象意味:現実をそのまま写すのでなく、ある視点や力関係を通して対象を立ち上げる働きを示す語。 要点:再現か構成かという論点。主体、他者、メディアの介在を前提に考える。 例:この映画の表象は、地方を素朴な背景ではなく消費されるイメージとして組み立てている。
連辞意味:語やイメージが並び結び付く順序によって、全体の意味が編まれることを捉える語。 要点:範列との対。結合の軸として、配列、文法、物語の進行を問題にする。 例:名詞だけを重ねる連辞が、乾いた断定の調子を生んでいる。
誇張意味:対象を実際以上に大きく強く見せることで、評価や感情の向きを際立たせる修辞を指す。 要点:縮小や抑制との対比。事実報告ではなく、強調の戦略として読む。 例:世界が終わるほどの沈黙だという誇張が、失恋の主観を前面に出す。
緩叙法意味:強い内容をあえて控えめに言い、かえって重さや冷たさを際立たせる修辞を指す。 要点:誇張との対比。否定表現や小さく言う言い回しが、評価の深さを逆に示す。 例:悪くない結末だという緩叙法が、救いの乏しさをむしろ印象づける。
発話行為意味:発言を単なる情報伝達でなく、約束、命令、謝罪のように現実関係を動かす行為として捉える語。 要点:記述文だけを見る立場との対比。誰が誰に向けて言うかが効力を左右する。 例:その一言を発話行為として読むと、和解より支配の宣言に近い。
自我意味:経験を一つに束ね、世界との境界を引く中心として論じられる概念。 要点:フロイトではエスや超自我との関係で捉えられ、近代思想では自律的主体の核とされる。 例:都市生活の断片化は、自我の統一感そのものを揺さぶる。
主体意味:行為し判断し意味を与える位置として、人間を捉えるときの中心語になる。 要点:客体との対や、構造に従属する存在か能動的に立ち上がるかという枠組みで問われる。 例:監視社会では、主体は自由な選択者としてだけでは捉えきれない。
内面意味:表に現れた行動の背後にある感情や思考の層を指し、近代的自己の深さを語る語。 要点:外面との対比で現れ、小説や告白、心理主義の広がりと結び付けて論じられる。 例:その作品は、内面の真実を言葉が裏切る瞬間に注目する。
内省意味:自分の感情や判断の根拠を内側へたどり、経験を言語化し直す営みを表す。 要点:反省や告白と接しつつ、社会批評では自己形成や倫理的判断の契機として扱われる。 例:震災後の日記には、共同体への距離を測り直す内省が刻まれている。
他者意味:自己の外部にある相手としてだけでなく、自分の輪郭を作り替える契機として現れる語。 要点:主体に対する外部、理解可能性の限界、倫理の出発点という複数の文脈をもつ。 例:他者を単なる鏡とみなすと、対話の困難さは見えなくなる。
共感意味:他人の感情にただ同調するのでなく、その立場を想像し応答可能にする契機を表す。 要点:同情や同一化とは異なり、距離を残した理解として論じられることが多い。 例:共感を強いる語りは、かえって異質な痛みを消してしまう。
身体意味:精神の容器ではなく、世界に触れ他者と関わる具体的な場として論じられる。 要点:心身二元論への批判、労働、ジェンダー、障害の経験と結び付けて扱われる。 例:身体の疲労が、制度の暴力をもっとも率直に語っている。
無意識意味:自覚された意思の背後で、言動や欲望を方向づける層を示すときに使われる。 要点:フロイト以降、主体の透明性への懐疑と結び付き、夢、失錯、症状の読解を促す。 例:何気ない言い間違いに、無意識の葛藤がのぞくことがある。
抑圧意味:受け入れがたい感情や記憶を意識から締め出し、表面の秩序を保つ働きを指す。 要点:無意識の形成、社会規範の内面化、症状としての回帰という枠組みで用いられる。 例:差別の歴史を抑圧した社会では、同じ暴力が形を変えて戻る。
主観意味:事実そのものより、誰がどこから世界を見ているかという偏りや立場を示す軸として使う。 要点:客観と対置される。近代的主体や経験の一回性を論じる枠組みを前提にする。 例:この小説は事件の真相よりも、語り手の主観が現実をどう歪めるかを描いている。
間主観性意味:私的な内面ではなく、複数の主体のやり取りのなかで意味や世界像が成り立つことを示す。 要点:主観と客観を媒介する発想。言語、対話、相互承認の場を重視する。 例:教室の規則は教師の命令だけでなく、間主観性のなかで維持される。
ペルソナ意味:個人の本心そのものではなく、社会的な場面で引き受ける顔つきや自己像を示す語として使う。 要点:内面の真実と対置される。役割、演技、社会的期待の文脈で論じられる。 例:SNSでは親しみやすいペルソナが先に立ち、発言者の複雑さが見えにくい。
身振り意味:言葉に先立つ動きや癖として、内面や関係の緊張が表に出る場を読むための語である。 要点:発話内容だけでは捉えきれない身体性に注目する。沈黙や視線とも連動する。 例:彼の身振りの硬さが、歓迎の言葉とは逆の警戒心を示していた。
表出意味:すでにある内面をそのまま外に出すというより、表現行為のなかで感情や意味が形になることを示す。 要点:内面と外面を単純に分けない。言語、芸術、身振りを通る生成の側面が重要。 例:怒りは叫びとして表出された瞬間に、個人の痛みから社会批判へと開かれた。
自己像意味:評論では、自分をどう見ているかの像を示し、経験や他者の評価によって組み替わる自己理解の輪郭を論じる語。 要点:実像とのずれや、他者像・社会的規範との関係が前提になる。固定した本質ではなく形成過程として捉える。 例:SNSで演出された自己像が、本人の生きづらさをかえって強めることがある。
当事者性意味:論点の当人として経験から語る位置を示し、抽象論ではこぼれる切実さや利害の偏りを可視化する語。 要点:第三者性や代表の問題を前提にする。当事者だから無条件に正しいのではなく、発言の位置を問う。 例:制度を論じるなら、利用者の当事者性を抜きに結論は出せない。
外在化意味:内に抱えた感情や葛藤を、言葉や行為、制度など外に現れる形として捉え直すときに使う語。 要点:内在化と対で考える。個人的な苦しみを外在化すると、社会的条件として検討しやすくなる。 例:沈黙していた怒りを文章として外在化したことで、問題の輪郭が見えてきた。
文化意味:自然化された慣習や価値を、歴史的に編成されたものとして相対化するときの枠語。 要点:自然や普遍に対して置かれ、制度、習慣、表象がどう結びつくかという視点を前提にする。 例:その広告は商品の説明より、消費を当然視する文化を可視化している。
多文化主義意味:複数の文化的背景をもつ人々の共存を、差異の承認という形で制度化しようとする立場を示す語。 要点:同化主義に対置されるが、差異を固定化する危険も批判の対象になる。 例:多文化主義を掲げる都市でも、言語の壁が参加を妨げている。
大衆文化意味:日常的な消費や娯楽を通じて広く共有され、価値観の形成に作用する文化領域を指す語。 要点:高級文化との序列、メディア産業、受容者の能動性という論点を伴う。 例:大衆文化の分析から、時代の欲望の配列が見えてくる。
オリエンタリズム意味:東洋を西洋の視点から異質で遅れた対象として描き、支配を正当化する知の型を指す語。 要点:東洋と西洋の非対称な権力関係を前提にし、学知と表象の結びつきを問う。 例:観光パンフレットの異国趣味には、穏やかな形のオリエンタリズムが残る。
メディア意味:情報やイメージを運ぶ手段であると同時に、経験の仕方を組み替える環境として使う語。 要点:内容の伝達だけでなく形式の作用が問われ、受け手と技術の関係が重要になる。 例:短い動画のメディア特性が、記憶される政治像を変えている。
芸術意味:実用から切り離された特別な価値の領域として、作品を位置づけるときの基本語。 要点:工芸や娯楽との境界、制度による認定、近代的自律性が論点になる。 例:芸術として展示された瞬間、日用品の見え方が変わった。
オリジナリティ意味:作品の独自性を作者や形式に帰属させ、その価値を支える基準として働く語。 要点:模倣や引用に対置されるが、既存表現との関係なしには成立しない。 例:引用の多い小説でも、配置の仕方にオリジナリティが宿る。
前衛意味:既成の形式や制度を破ろうとする実践を、芸術の更新として評価する語。 要点:伝統や大衆文化との緊張、制度化されると前衛性が失われる逆説を含む。 例:当時は前衛だった手法が、いまでは広告の定番になっている。
他者化意味:特定の集団を自分たちから切り離し、異質で説明される側に置く過程を示す語。 要点:自己と他者、中心と周縁、同化と排除の枠組みで読む。 例:旅行案内の語りは地域住民を素朴な他者として他者化している。
真正性意味:何が本物と見なされるかをめぐる評価の基準が、社会的に作られていることを問う語。 要点:本物と偽物の二分法だけでなく、認証する制度や共同体の承認が基盤になる。 例:伝統芸能の真正性は変化を拒むことだけでは保てない。
遺産化意味:実践や場所を保存すべき価値として制度化し、現在の利用法を組み替える過程を示す語。 要点:保護と観光、継承と選別、国家や自治体の認定が枠組みになる。 例:路地の遺産化が住民の暮らしを展示物のように変えてしまった。
商品化意味:作品や慣習を市場で流通する価値へ組み替え、交換しやすくする過程を表す語。 要点:使用価値と交換価値、ブランド化、消費者の欲望が背景にある。 例:反体制の表現さえ商品化されると安全な個性として売られる。
審美化意味:政治や暴力の問題を美しい形式で包み、批判の鋭さを弱める働きを問う語。 要点:倫理と美、内容と形式、感動と判断の緊張関係が焦点になる。 例:廃墟の審美化はそこに残る被害の記憶を見えにくくする。
本質主義意味:文化や民族に不変の核を想定し、内部の差異や歴史的変化を見えにくくする議論を批判するときの語。 要点:構築主義との対比。同質性の前提が排除や固定化を生むという枠組み。 例:日本人らしさを一枚岩で語るその文章には、本質主義が強く表れている。
周縁化意味:中心とされる文化規範から外れた集団や表現が、見えにくい位置へ押しやられる過程を示す語。 要点:中心と周縁。制度的な排除と発言機会の偏りをみる枠組み。 例:方言の語りを笑いの材料にする編集は、地域文化の周縁化を進めてしまう。
キッチュ意味:過剰に分かりやすい感動や装飾が、洗練や批評性を欠いた美として退けられるときの評価語。 要点:高級芸術と大衆的趣味の境界。複製や感傷の反復をめぐる価値判断。 例:その記念品はキッチュだと笑われたが、地域の記憶を支える役目も果たしていた。
作者性意味:作品の意味や価値を作者という主体に結びつける働きを指し、創作の責任や権威の置き場を問う語。 要点:個人の天才観を前提にしがちだが、編集、制度、共同制作、引用との関係で揺らぐ。 例:匿名の共同制作を前にすると、作者性を一人の名前へ回収する読みは崩れる。
科学意味:世界を法則として捉え、説明を個人の感覚より公開可能な根拠に載せるときの拠点になる語。 要点:常識や信念と対置される。仮説、検証、反証の手続きが前提にある。 例:その主張は科学の名を借りているが、検証の手続きが欠けている。
仮説意味:観察を整理し、検証に向かう暫定的な見取り図として提示される語。 要点:結論ではない。反証可能であることが科学的な枠組みを支える。 例:その仮説は魅力的だが、測定方法がまだ粗い。
相関意味:二つの変化が連動して見えることを示し、安易な説明への慎重さを促す語。 要点:因果と同一ではない。第三の要因や逆方向の作用も考える。 例:所得と学力の相関だけでは、教育の実態は語れない。
自然意味:人間中心の設計を超えた秩序や過程を持ち出し、価値判断の土台を問う語。 要点:人工や人為と対置される。ただし自然そのものが善だとは限らない。 例:自然を理由に制度を固定化する議論には注意がいる。
生態系意味:生物群集とそれを取り巻く非生物的環境を、相互作用する一つのまとまりとして捉えるときの中心語。 要点:要素を単独で見るだけでは足りない。食物連鎖、物質循環、環境との相互作用の視点が重要になる。 例:開発計画は生態系への影響を広い範囲で見るべきだ。
資源意味:利用可能なものとして自然や知識を捉え、配分と制約を論じるときの語。 要点:無限の前提と対立する。採取、管理、再生の枠組みが伴う。 例:水を資源として見る視点は、政治の問題を呼び込む。
技術意味:目的を実現する手段の体系として、人間の能力を拡張する側面を示す語。 要点:科学と重なるが同一ではない。価値中立に見えて運用の思想を帯びる。 例:技術の導入は、現場の関係まで変えてしまう。
効率意味:投入に対する成果の大きさを基準に、手段の優劣を測るときの語。 要点:公正や豊かさと必ずしも一致しない。量的評価の枠組みを前提にする。 例:効率を上げても、対話の時間まで削ってよいとは限らない。
リスク意味:被害の可能性を不確実性ごと引き受け、意思決定の条件として扱う語。 要点:危険そのものではなく、確率と影響の見積りが含まれる。便益との比較が伴う。 例:医療では、ゼロリスクを求める声が判断を難しくする。
予防原則意味:重大な被害の恐れがあるとき、証拠の不十分さを理由に対策を先送りしない考え。 要点:事後対応より事前抑制を重んじる。新技術や環境政策で争点になる。 例:新素材の利用には、予防原則に立った審査が求められる。
客観性意味:個人の感情や立場をいったん脇に置き、他者にも共有可能な判断の基準を立てるための要請。 要点:主観性との対比。ただし観察者が完全に中立かという反省も同時に伴う。 例:その報告は客観性を装うが、指標の選び方に価値判断が潜んでいる。
反証可能性意味:主張が科学的であるかを、誤りだと示されうる形で述べられているかで問う基準。 要点:確証の蓄積だけでなく、反例に開かれていることを重視する枠組み。 例:その説は反証可能性を欠くため、経験的な議論に乗りにくい。
外部性意味:利益や費用の一部が価格に現れず、第三者や将来世代に押し出される構図を示す語。 要点:私的利益と社会的費用のずれが前提。公害や温暖化を論じる際に重要。 例:安い電力の背後で外部性が見えなくなると、被害は地域に集中する。
多様性意味:単一の最適解よりも、違いの幅そのものが適応力や持続性を支えると見る考え。 要点:均一化との対比。生物だけでなく、知識や制度の選択肢にも用いられる。 例:農地の多様性が失われると、病害への耐性もいっしょに細る。
制御意味:技術や制度によって振る舞いを一定の範囲に収め、予測可能にしようとする発想。 要点:自由放任との対比。測定可能性とフィードバックの仕組みを前提にする。 例:河川を完全に制御できるという発想が、かえって被害を広げることもある。
機械論意味:自然や生命を、部品の働きと法則の結合として説明しようとする見方を示す語。 要点:目的論との対比。近代科学の成功と結び付くが、生命観を狭める批判もある。 例:心を機械論だけで語ると、経験の厚みがこぼれ落ちる。
敷衍意味:一つの主張の含意を順に広げ、論点を追える形にする働き。 要点:核になる考えを言い換えや補足で伸ばしていく。反復ではなく、射程を見せる操作。 例:著者は共同体という語を歴史と制度の次元へ敷衍している。
命題意味:真偽や妥当性の検討対象として置かれる言明の核として働く。 要点:感想ではなく論証の対象になる文であることが要る。前提にも結論にもなる。 例:この論考の中心命題は成長が豊かさを保証しないという点だ。
逆説意味:一見両立しない内容を並べ、通念では見えない関係を浮かび上がらせる働き。 要点:単なる矛盾ではなく、思考を反転させる契機がある。表面と深層のずれを扱う。 例:つながるほど孤独になるという逆説が本論の軸だ。
矛盾意味:論の内部で主張同士が論理上両立しない状態を指し、再検討を迫る語。 要点:逆説のような思考の装置ではなく、整合性の破れとして扱われる。 例:全員に例外なく参加を認めると言いながら、一部の人を最初から除外するのは矛盾している。
抽象意味:個別の差をいったん離れ、議論の骨格となる関係や構造を取り出す働き。 要点:具体から距離を取り普遍性を狙うが、細部をこぼしやすい。具体と往復して使う。 例:著者は経験の痛みを労働という抽象に結び直している。
特殊意味:普遍化された見方からこぼれる固有の条件を示し、議論の修正を促す働き。 要点:普遍に対置されるが、単なる例外ではない。背景や位置の違いを照らす。 例:地方都市の特殊を見ない政策論は空回りしやすい。
前提意味:明言されるか暗に置かれるかを問わず、議論全体を支える土台として働く。 要点:結論だけでなく前提の妥当性を疑う必要がある。共有されないと説得が難しい。 例:自己責任を前提にすると支援の議論は狭くなる。
原理意味:個々の判断を支える最も基礎的な考え方として、論の方向を定める働き。 要点:事例より上位に置かれ、演繹の出発点になりやすい。応用や運用と区別される。 例:著者は被害の最小化を原理として制度を評価する。
例外意味:一般化された主張の射程を測り、境界を明らかにするために使われる働き。 要点:規則を壊すだけでなく、どこまで通用するかを示す。留保と結びつきやすい。 例:高齢者にも新技術へ即応する例外は少なくない。
推論意味:複数の記述や事実をつなぎ、明示されていない結論へ進む筋道をつくる働き。 要点:前提と結論の関係が核になる。演繹や帰納はその型の違いとして捉えられる。 例:この一節の推論は、経験の記述から制度批判へと跳んでいる。
逆接意味:前の流れを受けつつ、予想と異なる方向へ議論を折り返す働き。 要点:順接との対比で捉えるとわかりやすい。逆説的な効果の入口にもなる。 例:ここで逆接が置かれ、便利さの陰で進む孤立が示される。
図式意味:複雑な現象を少数の関係に切り分け、見通しを与える働き。 要点:二項対立を組む土台になりやすいが、単純化の危険も伴う。 例:その図式では、地方の多様な実情が見えなくなる。
視座意味:何を中心に据えて対象を見るかを定め、議論の輪郭を変える立場。 要点:立つ位置が変われば評価も変わる。相対化と深く結びつく。 例:消費者の視座だけでなく、生産者の視座からも制度を見直す。
概念意味:個々の事例から共通の特徴を取り出し、考える単位をつくる働き。 要点:抽象化によって成り立つ。具体的な経験との往復がないと空疎になる。 例:自由という概念が、ここでは消費の選択に狭められている。
典型意味:ある傾向や構造がはっきり現れた例として、議論の焦点を示す働き。 要点:平均的という意味ではない。特徴が凝縮して見える事例を指す。 例:この村は、過疎化が進む地域の典型として扱われている。
捨象意味:個々の差や細部をいったん脇に置き、共通する構造や論点を浮かび上がらせるための操作を示す。 要点:抽象と結びつくが、単なる省略ではない。何を残し何を外すかという観点の選択が前提になる。 例:この章では地域ごとの差異を捨象して、福祉制度の共通の仕組みを論じる。

よくある質問

語釈だけの暗記と、このデッキの覚え方はどう違いますか

辞書的な意味だけで終わらせず、各カードの裏に「意味」「要点」「例」を置いて、語が文中でどう働くかまで押さえます。『近代』なら前近代との対比、『文化』なら自然や普遍との関係、『捨象』なら何を残して何を外すかという観点まで確認できます。

どの範囲の語が入っていますか

中心は評論で繰り返し出る現代文キーワードです。近代と社会(45)、言語と記号(40)、自己と他者(40)、文化と表象(40)、科学と自然(40)、論の運び(45)に分かれ、近代の原理、公共と共同体、資本と価値、修辞、テクスト論、自己認識、社会的形成、排除と疎外などを横断して復習できます。

このデッキに入れていないものは何ですか

作品別のあらすじ、筆者ごとの背景知識、長い本文引用は入れていません。語の周辺情報を広げるより、設問で問われやすい前提、対義語、関係語を先に固める構成にしています。

無料プランでもデッキ全体を取り込めますか?

はい。保存済みのデッキを取り込む処理では新しいAI生成を実行せず、AIクレジットも消費しないため、無料プランで250枚すべてを取り込めます。取り込み後も学習、編集、削除ができます。

同じデッキをもう一度取り込むと重複しますか?

重複しません。すでにある同一カードはスキップされ、改訂で増えたカードだけが追加されます。削除後の再取り込みを含め、同じ公式デッキの取り込みは生涯3回までです。

Web版とスマートフォンアプリの両方で使えますか?

はい。デッキはアカウントに追加されるため、Web版、iOSアプリ、Androidアプリで同じ学習内容と進捗を利用できます。

取り込んだカードを自分向けに直せますか?

はい。取り込み後は自分のカードとして、表裏の編集、不要カードの削除、タグ整理、別デッキへの移動を自由に行えます。

現代文キーワード250語を評論で読み切るためのデッキ

無料プランのまま全カードを追加できます。取り込み時にAI生成を実行しないので、AIクレジットも減りません。追加にはMemlyのアカウントが必要です。

デッキ一覧へ

公式問題の転載はなく、カードはすべてMemlyの独自執筆です。編集基準日2026-08-30。