教材の取り込み、カード作成、復習対象の選択を別々に行うたび、覚えるための時間は準備作業へ失われます。例えば300ページのPDFから必要な範囲を探し、カードへ写し、弱点を手作業で選ぶだけで、学習を始める前に時間と集中力を使ってしまいます。
2026年8月10日、MemlyはメジャーアップデートV2.0.0をリリースしました。新しい機能はWeb版・iOS版・Android版のすべてで利用できます。教材を取り込み、AI(人工知能)で暗記カードを作り、忘れかけた内容を選び、解く・流して見る・聞く方法で復習できるようになりました。
Memly 2.0では、暗記カードを作るところから、覚えるための復習までを一つのアプリで続けられます。
Memly 2.0でできるようになる5つのこと
V2.0.0の主な変更は、次の5つです。ここでは全体像を紹介し、各機能の詳しい使い方と、学習にどう役立つのかは個別の記事で解説します。
| 学習の段階 | これまで起こりやすかったこと | Memly 2.0でできること |
|---|---|---|
| 教材の取り込み | 長い教材を分割し、必要箇所を手で抜き出します | PDF・Word・PowerPoint・複数画像から必要範囲を選べます |
| 復習対象の選択 | 全カードを見直し、弱点を自分で探します | 今どれくらい思い出せそうかを表す「想起率」から、忘れかけのカードを絞れます |
| 試験対策 | 試験日までの復習量を手作業で調整します | 試験日に向けて、次の復習まで覚えていたい割合と復習予定を調整します |
| 学び方 | 同じ操作で学び続け、時間や目的に合わせにくいです | 解く、流す、聞くから選べます。聞く学習ではAIの音声がカードを読み上げます |
| 学習後の確認 | 何を覚え、次に何を復習するかが見えにくいです | 学習状況、今後14日間の復習予定、苦手なカードを確認できます |

1. 必要な教材だけをAIカードにできます
PDF、Word、PowerPoint、複数の画像、スマートフォンのカメラから暗記カードを作れます。PDFはページ範囲、PowerPointはスライド範囲を指定できます。長い教材を丸ごと使うのではなく、講義で扱った章や試験範囲だけからカードを作れます。
希望した枚数をそろえるために、教材にない内容をAIが補わないようにしました。同じ教材から必要に応じてカードを追加で作ることもできます。読み込める教材、範囲の選び方、複数画像、語学学習向けの設定については「Memly 2.0のカード作成」で詳しく紹介します。
2. 忘れかけのカードへ直接進めます
すべてのカードを最初から見直す必要はありません。学習済みカードについて、今どれくらい思い出せそうかを表す「想起率」を計算し、90%未満または80%未満のカードだけを選べます。この割合が低い順に並ぶため、途中で学習を終えても、忘れそうなカードから先に取り組めます。
学習状況をまとめて見る「記憶ダッシュボード」には、全体でどれくらい覚えているか、連続学習日数、17週間の学習記録、今後14日間の復習予定、繰り返し忘れているカードをまとめました。カードを検索・整理する「カードライブラリ」では、カードを科目などでまとめた「デッキ」、学習済みかどうか、想起率で絞り込み、その結果から学習や編集を始められます。

想起率と、復習日を決める計算方法「FSRS 6.0」を使って復習するカードを選ぶ仕組みは「Memly 2.0の復習」で解説します。
3. 試験日から逆算して復習できます
デッキに試験日を設定すると、試験が近づくにつれて、次の復習まで覚えていたい割合(目標定着率)を上げ、次の復習日が試験後にならないようにします。直前期には、試験日に思い出せる見込みが低いカードを優先します。試験が終わると通常の復習量へ戻ります。

通常時も、デッキごとに80%、90%、93%、95%から、次の復習まで覚えていたい割合を選べます。重要度の異なる教材を同じ回数だけ復習せず、試験科目は多め、読書メモは少なめというように復習量を分けられます。詳しくは「Memly 2.0の試験モード」をご覧ください。
4. 解く、流す、聞くを選べます
Q&A(一問一答)、4択、○×で答えを自力で思い出す練習に加えて、カードの表と裏を同時に表示して自動で送る「速習」を選べます。速習は採点をせず、通常の復習予定も変更しません。新しいカードを初めて見るとき、しばらく学んでいないデッキを再開する前、試験直前に全体を見直すときなど、通常の学習の前後に使えます。

学習画面を離れずにカードを編集できるようになり、Q&A、4択、○×のどの方法でも、直した内容が今の学習にすぐ反映されます。学習方法の使い分けは「Memly 2.0の学習方法」で紹介します。
聞く学習では、カードの文章をAIの音声で読み上げます。1枚ずつ聞くほか、カードを順番に聞く「音声デッキ」、自動で送りながら読み上げる「音声付き速習」、カードから音声番組を作る「Review Radio」を選べます。移動中や画面を見続けにくい時間にも復習する方法は「Memly 2.0の音声学習」にまとめました。
5. 学習を続けるための土台も見直しました
V2.0.0では、学習記録を失いにくくする仕組みも見直しました。長い学習では15問ごとに記録を途中保存し、通信が一時的に切れても保存をやり直します。100枚を超える学習でも、最後まで記録を残しやすくしました。
- カードの覚え具合に応じた通知と15分単位の通知時刻設定を利用できます。
- 削除したカードやデッキを戻せるゴミ箱と、削除の取り消しを利用できます。
- 効果音、スマートフォンの振動、連続正解の演出を利用できます。
- 日本語、英語、韓国語の表示と、ログイン時などに届くメールを見直しました。
- AIによるカード作成に失敗してカードができなかった場合は、カード作成に使える利用枠を減らしません。
- ログイン情報や学習データを守り、不正な内容が表示されにくくなるよう安全対策を強化しました。
ChatGPTやClaudeからMemlyを使えます
MCPとは、ChatGPTやClaudeなどの対応AIとMemlyを安全につなぐ仕組みです。無料プランではデッキやカードを探して内容を確認でき、PlusまたはProでは追加・編集もできます。接続方法と使える機能は「ChatGPTやClaudeとMemlyをつなぐ方法」をご覧ください。
暗記カードを作った後も復習を続ける理由
カードを作るだけでは、知識は残りません。RoedigerとKarpicke(2006)の研究では、1週間後に覚えていた割合は、教材を読み直すだけの場合が約42%だったのに対し、答えを思い出す練習をした場合は約56%でした。Memly 2.0では、教材からカードを作った後も、そのカードを思い出し、忘れかけたときにもう一度復習できます。
時間をあけて復習する「間隔反復」と、AIによる暗記支援の基本から知りたい方は「AIによる暗記支援」もあわせてご覧ください。
Memly 2.0を始める前に
ここで紹介した機能は、Web版・iOS版・Android版のすべてで利用できます。アプリをお使いの方は、App StoreまたはGoogle Playから最新版に更新してください。機能の対応状況や表示内容は、利用環境や設定によって異なる場合があります。
多くのアップデート告知は、読んだだけで終わります。今までの方法をそのまま続けるか、まず一つの教材からカードを作り、復習まで試すかを選べます。Memlyを開き、次に覚えたいPDF、スライド、画像のどれか一つを選んでください。その小さな一歩から、カードを作った後すぐに復習へ進めます。
