AIが作った暗記カードは、答えの根拠を教材の中で指し示せるかを確かめてから使います。読みやすい文章でも、条件が省かれていたり、資料に書かれていない説明が加わっていたりする場合があります。問いと答えを一緒に読み、原文の該当箇所へ戻ることが出発点です。
ここでは、架空の読書会のルールを自作し、Memlyで実際に生成した6枚を照合します。生成結果を確認し、問いの対象と出典を補って保存するところまで、Web版の画面で紹介します。実在する図書館の規則や、利用者の学習実績を使った事例ではありません。
最初に確認するのは、原文の場所・条件・範囲です
カードの答えを見たら、「どこに書いてあるか」「どんな場合に成り立つか」「何についての話か」の順に確認します。数字だけ合っていても、「予約がない場合」という条件が落ちると意味が変わります。問いの主語が広すぎると、ある教材だけの決まりを一般的なルールとして覚えてしまいます。
- 答えの根拠となるページ・見出し・段落を探します。
- 数字、単位、否定、条件、例外が原文と一致するかを確かめます。
- 問いだけを読んでも、対象や時点が分かるように整えます。

原文にない説明を、別のAIが正しいと言っただけで確定しないようにします。根拠が見つからない箇所は保留し、授業資料や公式資料などへ戻って確認します。元の教材自体が古い場合もあるため、制度や試験範囲に関わる内容は教材の版・日付も見ます。
今回の教材と生成条件
2026年10月26日に、次の6項目を含む短い教材を作りました。「まどか読書会」は操作説明用の架空の団体です。各項目の番号は、答えを照合する場所として使います。
| 原文の項目 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 第1項・受付 | 貸出受付は土曜日の14時から16時までです。 |
| 第2項・冊数と期間 | 会員1人につき2冊まで、14日間借りられます。 |
| 第3項・室内用資料 | 会場内で読み、外へ持ち出すことはできません。 |
| 第4項・延長 | 期限までに申し出て、予約がない場合に限り、1回だけ7日間延長できます。 |
| 第5項・休会日 | 返却期限が休会日に当たる場合は、次の開催日に返却します。 |
| 第6項・紛失 | 運営係へ連絡します。この教材では弁償額や罰金の規則は定めていません。 |
自作教材の全文をダウンロードする(テキスト)ことで、表で省略した表現も確認できます。 Memlyのテキスト入力に全文を貼り付け、問題数を6、複雑さを中程度、言語を日本語に設定しました。追加のAIへの指示は入力せず、音声の自動生成も使っていません。
以下は、その1回の生成結果です。6枚という数は今回指定した枚数であり、どの教材でも同じ結果になるという意味ではありません。

生成された6枚を原文へ戻して確認しました
今回の6枚では、受付時刻、冊数と期間、持ち出し禁止、延長条件、休会日の返却日、紛失時の連絡先が教材と対応していました。照合した結果、これらの内容に原文との矛盾は見つかりませんでした。ただし、この短い教材での確認から、AI全体の正答率や他の教材の正確さは判断できません。
| カードで問われた内容 | 照合先 | 確認した点 |
|---|---|---|
| 貸出受付の曜日と時間 | 第1項 | 土曜日・14時から16時までがそろっています。 |
| 貸出冊数と期間 | 第2項 | 2冊と14日間を混同していません。 |
| 「室内用」資料の利用 | 第3項 | 会場外へ持ち出せないという否定を残しています。 |
| 本を延長できる条件 | 第4項 | 期限までの申し出、予約なし、1回、7日間を含んでいます。 |
| 期限が休会日の場合 | 第5項 | 次の開催日に返すという例外を含んでいます。 |
| 本をなくした場合 | 第6項 | 運営係への連絡が対応しています。弁償額については、この教材に書かれた範囲の話として読みます。 |
このように、カードから原文へ戻る確認に加えて、原文の各項目からカードを探す確認も行います。前者では答えの根拠を、後者では作られなかった内容を見つけます。長い教材では、まず試験範囲や自分の苦手な見出しごとに分けると、確認済みの範囲を記録しやすくなります。数枚を見ただけで、残りも確認済みにはしません。
実際の修正例:条件は残し、対象と出典を補いました
延長のカードの問いは「借りた本の延長はどのような条件でできますか?」でした。答えには必要な条件が入っていますが、問いだけではどの団体の規則かが分かりません。別のデッキのカードと一緒に学ぶときにも範囲が分かるよう、架空の読書会のルールであることを補いました。
| 確認した点 | 内容 |
|---|---|
| 生成時の問い | 借りた本の延長はどのような条件でできますか? |
| 修正後の問い | 架空のまどか読書会では、本を延長するための条件・回数・日数は何ですか? |
| 答えの変更 | 期限までの申し出、予約なし、1回だけ7日間という条件を保ち、末尾に教材名・第4項・作成日を記しました。 |
| 修正理由 | 原文との矛盾の訂正ではなく、対象と確認し直す場所を明確にするためです。 |
誤った数字を見つけた事例ではありません。合っている内容でも、根拠へ戻れる書き方に整えるための修正です。出典は編集者が本文へ追記したもので、Memlyが自動で付けた引用や、専用の出典管理機能ではありません。
Web版で編集して、再表示まで確かめます
- 生成プレビューを確認し、新しいデモ用デッキに6枚を保存しました。
- デッキ内の延長条件カードを開き、表面の質問と裏面の回答を編集しました。
- 「保存して次へ」を押してから「前のカード」で戻り、変更した文章が残っていることを確認しました。

照合のメモは「第4項/対象が省略されていた/問いに読書会名を追記/保存後に再表示」のように残します。今回の照合・修正記録(CSV)も用意しました。これは確認用の記録表で、Memlyへ取り込むカードCSVではありません。

原文で確かめきれないカードは、覚える前に止めます
原文に見つからない説明がある場合
教材にない理由や具体例が付いていたら、その説明だけを切り分けます。自分が根拠を確認できるまで学習用の答えとして採用せず、教材の該当箇所を読み直します。必要なら先生や、その分野に詳しい人へ、カードと原文をセットで確認してもらいます。
数字・条件・否定が食い違う場合
例えば、この自作教材の延長を「何回でも7日間」と書き換えたら、第4項と食い違います。これは確認の観点を示すための説明用の例で、今回AIが出した誤りではありません。「7日間」だけに目を向けず、「1回だけ」「予約がない場合」までひとまとまりで照合します。
元の教材が読みにくい場合
写真の文字がつぶれていたり、表の見出しが切れていたりする場合は、生成された答えだけで補いません。読める原本を開き、必要に応じて撮り直したり、対象の段落をテキストで入力したりします。元の意味を確かめられない箇所は保留します。
NISTの生成AIリスク管理資料は、もっともらしく誤った内容を出す現象だけでなく、入力内容から外れた出力も扱っています。また、出力に付いた説明や引用自体が誤っている場合もあるとしています。この資料はMemlyの精度試験ではありません。この記事の照合手順も、すべての誤りを見つけられる保証ではありません。
次は、自分の教材の1項目で試します
まずは短い見出しを1つ選び、作ったカードの答えを原文のどの文で確かめられるかを探してください。対象・数字・条件・例外がそろったら、参照先を残してから復習に回します。作り方の操作は教材からカードを作るガイドで確認できます。
内容の根拠を確かめたうえで、1枚が長すぎたり答えにくかったりする場合は、覚えられる暗記カードの作り方を参考に問いを分けます。AI生成と復習の全体像はAIによる暗記支援の仕組みで紹介しています。
参考資料と確認範囲
- NIST AI 600-1(2024年)の2.2節「Confabulation」を参照しました。
- MemlyWeb版のテキスト入力、6枚の生成、保存、1枚の編集と再表示を2026年10月26日に確認しました。
- 教材・デッキは記事用に作成したものです。iOS版・Android版の操作や、長い教材での生成精度はこの実演では検証していません。
