講義スライドやレジュメを暗記カードにするなら、PDF のページ範囲を指定して講義1回分ずつカードにし、講義のあった週のうちに一問一答で回し始めます。期末や CBT の日付をデッキに置けば、その日から逆算した「今日の枚数」をアプリが出してくれます。
毎回まじめに講義に出て、ノートも取っています。なのに試験2週間前に見返すと、自分のノートなのに初見のように感じます。90分×15回、22時間以上かけて聞いた講義の中身が、頭にほとんど残っていません。この「講義を受けた時間」と「試験で使える記憶」のギャップが、大学の定期試験を毎回つらくしている正体です。
原因は記憶力でも、ノートの取り方でもありません。ノートは「記録」であって「記憶」ではないからです。
やることは、講義のあった日にノートやスライド(レジュメ・PPT)を撮影・アップロードして、AIで暗記カードに変えておくことです。ここまでで10分。あとは週2〜3回、アプリが出題するカードに答えるだけでいいです。これで試験前の「ノート解読からやり直す徹夜」が消えます。
なぜ講義ノートは試験前に役立たなくなるのか
エビングハウスの忘却曲線が示すとおり、人は学んだ内容を復習しなければ急速に忘れます。講義を聞いた直後がピークで、そこから数日で大半が抜け落ちます。15回の講義を「聞きっぱなし」で積み上げると、試験前に残っているのは断片だけです。
しかもノートを取る行為自体は、書いた内容の定着を保証しません。書き写しは「手の作業」であって「思い出す練習」ではないからです。試験直前にノートを読み返しても、それは「再読」であり、見れば分かるという感覚(再認)が育つだけで、白紙から書ける力(再生)は育ちません。なぜ読むだけでは覚えられないのかは「教科書を読んでも覚えられないのはなぜ?」で詳しく解説しています。

解決の方向はシンプルで、忘れ切る前に「思い出す練習」ができる形へ、講義の内容をその日のうちに変換しておくこと。その最も効率のいい形が暗記カードです。
講義スライドの PDF を1回分ずつ暗記カードにする手順
ステップ1: 講義当日に、スライドかノートをそのまま取り込む
配布されたスライドの PDF やレジュメなら、ファイルをそのままアップロードします。カード生成の画面で「文書」を選ぶと、PDF・Word・PowerPoint を入れられます。手書きのノートならスマホで撮影し、「画像」から取り込みます(1回に20枚まで)。

学期ぶんのスライドが1つの PDF にまとまっている場合は、使うページの範囲を指定します。「12〜24ページ」のように講義1回分だけを選べば、カードも1回分ずつまとまり、どの講義のカードかが後から分かります。PowerPoint のファイルはスライドの範囲を指定できます。Word の文書はページの区切りが表示のときに決まるため、ページ範囲を指定できません。
きれいにまとめ直す必要はありません。「まとめノート作り」は時間がかかるわりに定着効果が薄いとされており、ここに時間を使うくらいなら、そのまま取り込んで思い出す練習に時間を回すほうがいいです。
ステップ2: AIが「問いと答え」のカードに変換する
取り込んだ内容から、AIが「問われたら答える」形式のカードを自動生成します。下の画面のように、講義の要点を1つずつ問う形になります。生成の前に、問題数(AIにおまかせか枚数の指定)、複雑さ(簡単・中程度・詳細)、「第3章のみ」のような範囲の指定を選べます。手作業との差は歴然です。
| 方法 | 講義1回分(30枚)の所要時間 | 15回分の合計 |
|---|---|---|
| 手作業でカード作成(1枚1〜2分) | 約45分 | 約11時間 |
| まとめノートを作り直す | 60分以上 | 15時間以上 |
| 写真・PDFからAI生成 | 約1〜2分+確認5分 | 約2時間 |

効いているのは1枚あたりの速さではありません。15回分で9時間空くことのほうです。
実際に、Memly が用意した自作の講義プリント「生理学 第4回 循環」(2ページ)を入れると、27枚のカードができました。

画面は説明用のデモアカウントです。教材は Memly が用意した自作のプリントで、カードは2026年9月に Memly が実際に生成したものです。進み具合は説明のために設定した値です。
生成されたカードは1〜2分ざっと確認し、講義で強調されていた論点が抜けていれば足します。AI が書いた答えは誤りうるので、スライドと見比べて、違うものは保存の前に直すか消します。撮影からカード化までの具体的な手順は「写真・PDFからAI暗記カードを作る方法」にまとめています。
講義スライドの PDF を1回分、カードにしてみる(無料プランには初回のAI利用枠があり、毎月の補充はありません)
ステップ3: あとはアプリの出題に答えるだけ
カードにしてしまえば、復習のスケジュール管理は間隔反復アルゴリズムに任せられます。忘れかけたタイミングで自動的に出題されるので、「どの科目をいつ復習するか」を自分で考える必要がなくなります。これが複数科目を並行する大学の試験対策と相性がいいです。
科目のタイプで、カードの問い方を変える
同じ粒度で全科目を回せるかというと、そうはいきません。
| 科目タイプ | 例 | カードの粒度 |
|---|---|---|
| 暗記中心 | 解剖学、薬理、法学、歴史 | 1カード1事項。用語だけでなく「なぜ」を問う面も作る |
| 理解+暗記 | 生理学、経済学、心理学 | 「定義」と「仕組みの説明」を別カードに分ける |
| 計算中心 | 統計、会計、物理 | 公式の暗記より「どの場面でどの式を選ぶか」を問う |
医療系の科目で形を見るなら、Memly が作成した無料の公開デッキのカードが見本になります。暗記中心の解剖学なら、「系統別人体解剖用語300」の「起始と停止とは?」というカードの裏面は「筋が付着する2点のうち、動きの少ない側が起始、動く側が停止。動作によっては役割が入れ替わることがある。固定された側が起始として働く。」です。1枚に1事項を置き、取り違えやすい点を1行添える形です。
理解と暗記の両方が要る生理学なら、「生理学の調節としくみ300」の「負のフィードバックとは?」の裏面は「変化が生じると、その変化を打ち消す方向に働く調節。打ち消すまでに時間がかかるため、値は目標の周りで揺れ続ける。」です。定義の1文と、仕組みの説明の1文が分かれています。
共通する原則はひとつで、「説明しなさい」と問われて自力で答えられる形にしておくこと。定期試験も国家試験も、最終的に問われるのはこの力です。解剖学や薬理学のように、似た項目が混ざりやすい科目の問いの立て方は「解剖生理・薬理の暗記アプリ:授業プリントを混ざらない一問一答にする」で扱っています。
過去問アプリと暗記カードの分担
CBT や国家試験の対策で過去問のアプリや問題集を使っているなら、それはそのまま続けます。過去問は本番の形式で解いて弱点を見つける道具で、講義のカードは、その弱点の元になっている用語や仕組みを毎日少しずつ思い出すための道具です。役割が違うので、どちらかに寄せる必要はありません。
過去問で間違えた問題の論点が講義のスライドにあれば、そのページだけを範囲指定してカードを足します。過去問だけで対策が回っていて、講義の資料をカードにする必要がない人には、この方法は向きません。
週ごとの回し方と、科目ごとの試験日
続けるコツは、勉強時間を増やすことではありません。すでにある講義の流れに、小さな習慣を固定してしまうことです。時間割は毎週同じなので、講義の直後という位置に置けば、思い出す努力なしで習慣が起動します。
- 講義当日(10分): ノート・スライドを取り込んでカード化し、生成結果を確認します。
- 平日のスキマ時間(5〜10分): 通学中や空きコマに、期限が来たカードに答えます。
- 週末(15分): その週の分を一気に復習。思い出せなかったカードだけ講義資料に戻ります。

科目が増えてデッキが並ぶと、一覧から今日の科目を探すのに手間がかかります。Memly のデッキグループを使うと、「後期」「解剖学」のようにデッキを1階層のグループにまとめ、学習画面とデッキ一覧をグループで絞り込めます。グループは手で作れるほか、AI に分け方を提案させて、確認してから適用することもできます(提案には AI の利用枠を使います)。
試験日はデッキごとに置けます。科目ごとに期末の日付が違えば、科目のデッキにそれぞれの日付を置き、1つの試験に複数のデッキをまとめることもできます。
期末・CBT の日付から逆算する
デッキに試験日を置くと、その日までに全部を思い出せる状態にするには今日何枚やればよいかを、アプリが毎日出します。CBT の実施日は大学ごとに違うので、自分の大学で発表された日付を置いてください。

画面の「今日 18枚 約6分」がその日のノルマで、「順調」「遅れ気味」「間に合わない」で進み具合が分かります。試験の2週間前からは記憶の目標を95%まで引き上げて復習を前倒しし、直前の3日間は総ざらい、当日は「10枚だけ確認」に切り替わります。アプリ自身が書いているとおり、これは条件つきの予測で、達成の保証ではありません。
このループを回している人にとって、試験2週間前は「ノートの解読を始める日」ではなく「すでに8割覚えている状態から、弱点だけ潰し始める日」になります。もし試験直前になってしまった場合の巻き返し方は「試験3日前からの暗記法」を参照してください。
Memlyは講義の試験対策のために作られている
取り込みから復習まで、道具を切り替えずに回せます。
- ノート写真・スライドPDF・テキスト貼り付けのどれからでも、AIが暗記カードを自動生成します。PDF はページ範囲、PowerPoint はスライド範囲を指定できます。
- 間隔反復アルゴリズム(FSRS)が忘れかけたカードを優先して出題し、複数科目の復習予定を自動管理します。
- Web・iOS・Android対応。PCで取り込んで、通学中はスマホで復習できます。
よくある質問
Word のレジュメもページを指定してカードにできますか?
Word の文書は、ページの区切りが表示のときに決まるため、ページ範囲を指定できません。文書全体からカードを作るか、使う部分だけを PDF に書き出してから入れてください。PowerPoint のファイルはスライドの範囲を指定できます。
手書きのノートでも作れますか?
作れます。ノートを撮影して「画像」から取り込みます。1回に20枚まで入れられます。読み取りにくい文字は誤って読まれることがあるので、プレビューでノートと見比べてから保存してください。
講義を録音してカードにできますか?
スマホのアプリでも Web でも、最大60分の録音からそのままカードを作れます。60分で録音は自動的に止まります。Android のアプリはバックグラウンドで録音できないため、画面をつけたまま使います。講義の録音は、大学や担当の教員の許可を取ってから行ってください。
無料で使えますか?
一問一答の学習、試験日の設定、デッキグループ(手動)は無料プランで使えます。カードの生成のように AI を使う機能は、無料プランでは初回のAI利用枠があり、毎月の補充はありません。続けて生成する場合の有料プランは、Web で Plus 月500円(年4,800円)、Pro 月1,000円(年9,600円)で、月ごとのAI使用量の範囲で使えます。iPhone・Android のアプリから契約する場合は Plus 月600円、Pro 月1,300円です(Memly の料金、2026年10月4日に確認)。
次の講義から、10分だけ変えてみる
この記事を読んだ多くの人は「なるほど」と思って、今までどおり試験前の徹夜に戻っていきます。変わる人は、次の講義のあとに一度だけ試す人です。
やることはひとつ。次の講義が終わったら、その日のノートかスライドを1つだけ取り込んでカードにしてみてください。10分で終わります。その10分が、試験前の徹夜22時間を消していきます。Memlyはクレジットカード不要で今すぐ試せます。
AIによる暗記支援の全体像は、ピラー記事「AIによる暗記支援とは?仕組み・効果・おすすめツールを徹底解説」で詳しく解説しています。看護師国家試験に向けて授業プリントをカードにする方法は「看護師国家試験の暗記カード:授業プリントを一問一答にして過去問と併用」、PDF からカードを作る方法の全体は「AIフラッシュカードの作り方」にまとめています。
出典と確認日
- Memly の機能(PDF のページ範囲、PowerPoint のスライド範囲、Word の制約、画像の枚数、録音、デッキグループ、試験日モード):アプリの画面と表示文言(2026年10月4日に確認)
- Memly の料金:料金表示(2026年10月4日に確認)
- 公開デッキ「系統別人体解剖用語300」(編集基準日2026年8月21日)と「生理学の調節としくみ300」(編集基準日2026年8月22日)
引用した医療系のカードは Memly の公開デッキの裏面をそのまま載せています。AI が作ったカードの答えは、講義の資料と教科書で確かめてから覚えてください。医療者の監修は受けていません。
