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学習方法10分

授業を録音して暗記カードに:要約から一問一答に進む手順

授業の録音を暗記カードにする手順を、自作音声とMemlyの実画面で紹介します。文字起こしの誤認識、問いの分け方、生成後の補足、一問一答での復習まで確認しました。試せるMP3と原稿付きです。

橘 恒一
橘 恒一
Memly CMO公開:最終更新:
授業を録音して暗記カードに:要約から一問一答に進む手順

授業を録音しても、試験前に最初から聞き直すだけでは、どこを説明できないのかが分かりにくくなります。録音の中から一つのテーマを選び、答えを隠せる問いにすると、聞いた内容を自分で思い出す練習につなげられます。

この記事では、平均値と中央値を説明する約1分の自作音声をMemlyに取り込み、3枚のカードを作ります。文字起こしの誤認識と、生成後に補った説明も含めて紹介します。掲載画面は2026年10月14日に撮影したWeb版です。教材は編集部が作った架空の例を合成音声で読み上げたもので、実際の授業や学生の記録ではありません。

授業の録音は、要約から「答えられる問い」へ進める

要約は、話の流れや重要な点を見直すために使えます。一問一答は、要約を見ないで必要な内容を出せるか確かめるために使います。同じ内容でも、読む場面と答える場面を分けると、次に聞き直す箇所が具体的になります。

  1. 録音とAIへの取り込みが認められた音声を用意します。
  2. 文字起こしを読み、用語・数値・条件を原音や教材で確かめます。
  3. 一つのテーマごとに問いを作り、答えを確認して保存します。
  4. 答えを隠して説明し、言えなかった部分だけ教材に戻ります。
録音を取り込む、用語・数値・条件を確かめる、一問一テーマの問いにする、答えを見る前に答えるという流れ
録音を保存した後に、内容の確認と想起の練習を加えます。画像を押すと拡大できます。

最初から授業全体を大量のカードにする必要はありません。「平均値と中央値の違い」のように、ひとまとまりの説明を選びます。ノートに残した疑問や、先生が繰り返した条件を手がかりにしてください。

取り込む前に、音声の範囲と利用条件を確認する

授業ごとに録音や教材の利用条件は異なります。担当教員や学校の案内を確認し、録音できる場合でも、その音声を外部のAIサービスへアップロードしてよいかを別に確かめてください。他の人の発言や個人情報が含まれる部分は、許可された範囲に整理します。

録音できない授業なら、自分の言葉でまとめたノートをテキスト入力する方法もあります。録音すること自体より、復習したい内容と、その答えを確認できる資料がそろっていることを優先します。

今回のデモでは、自作原稿から作ったMP3を使いました。撮影時のMemlyのオーディオ入力画面には、ファイルサイズ50MB、音声60分までと表示されています。MP3・M4A・WAVなどに対応しています。仕様は変わる場合があるため、取り込み時の画面も確認してください。

画面内には直接録音するボタンもありますが、この記事で確認したのは音声ファイルの取り込みです。また、録音を教材として取り込む操作と、保存したカードを読み上げる操作は別です。今回は「音声つきデッキにする」をオフにして作成しました。

自作の短い音声で、取り込みを試す

デモ教材では、架空の五つの値「10、11、12、13、54」を使います。合計100を5で割ると平均値は20です。小さい順に並べた中央の値は12なので、中央値は12です。さらに、54のように大きく離れた値が平均値に影響することと、中央値が常に最適とは限らないことを説明しています。

デモ音声を開く(MP3)と読み上げ原稿と答えの確認用メモを用意しました。自分で試す場合は、先に音声を聞いてから原稿と照合できます。

Memlyの「生成」で「オーディオ」を選び、音声ファイルを指定します。処理が終わると、音声プレーヤーと文字起こしが表示されました。音声の認識が終わった時点で、画面にはAI使用量へ反映済みと表示されています。

Memlyのオーディオ取込画面。自作MP3のプレーヤーと文字起こし、カードを生成するボタンが表示されている
実際に音声を取り込んだ画面です。文字起こしの冒頭では「架空」が「下空」になっています。画像を押すと拡大できます。

今回は数字と計算は一致していましたが、「架空」という語が「下空」と認識されました。文字起こしが読める文章になっていても、正しいとは限りません。専門用語、否定表現、単位、例外の条件は、特に原音や配布資料と照合します。

撮影時の音声入力画面では、表示された文字起こし欄を直接編集できませんでした。そのため、次の生成設定の「AIへ指示」で正しい語を伝え、生成されたカードも確認しました。誤りが多い場合は、そのまま問題にせず、原音を確認して修正したテキストから作る方法を選びます。

要約の三つの要点を、一つずつ質問にする

「平均値は20、中央値は12、54の影響で差が出る」という要約を一枚に詰め込むと、どの点を答えられなかったのかが曖昧になります。そこで今回は、計算する問い、中央の値を求める問い、違いを説明する問いに分けました。3枚はデモで指定した枚数で、どの授業にも最適な枚数という意味ではありません。

確かめる内容カードの問い答えで見る点
平均値10、11、12、13、54の平均値はいくつですか合計100を5で割り、20と求めます
中央値同じ五つの値の中央値はいくつですか小さい順に並べ、中央の12を選びます
違いの理由平均値20と中央値12が違うのはなぜですか平均値はすべての値を使うため、54の影響を受けます
平均値20、中央値12、54の影響という要約を、平均値・中央値・違いの理由を問う三枚に分ける例
同じ教材を、確かめたい内容ごとに分けます。数値は記事用の架空の例で、学習成果を表すものではありません。

生成設定では、問題数を自分で3問と指定し、複雑さは中程度、言語は日本語にしました。「AIへ指示」には、誤認識の訂正と、作りたい問いを具体的に書いています。自分の授業で使う場合も、「重要な問題を作って」だけでなく、どの定義・理由・条件を確認したいかを伝えると、生成結果を点検しやすくなります。

冒頭の「下空」は音声認識の誤りで、正しくは「架空」です。10、11、12、13、54という5個の値だけを使い、平均値を求める問い、中央値を求める問い、二つの値が違う理由を説明する問いを一つずつ作ってください。答えには計算や理由も含めてください。

生成後は、正答だけでなく抜けた条件も補う

今回の生成結果には、平均値20、中央値12、54が平均値に影響する理由が含まれていました。「架空」の表記も正しくなっています。ただし、理由のカードには、原稿にあった「中央値がいつも正しい代表値という意味ではない」という注意点が含まれていませんでした。

そこで保存後にカードを開き、裏面の説明を補いました。元の回答を誤答として扱うのではなく、授業で残したい条件まで含める修正です。変更後に別のカードへ移動して戻り、補足が保存されていることも確認しました。

Memlyのカード編集画面。平均値と中央値が違う理由に、中央値がいつも正しい代表値とは限らないという注意点を補っている
原稿にある条件を裏面へ補った実画面です。自動生成された正答にも、必要な補足がない場合があります。
  • 数値や固有名詞が、教材と同じになっているか確認します。
  • 「ただし」「〜の場合」「〜ではない」などの条件を確認します。
  • 一枚の質問だけで、どの範囲について答えるのか分かるようにします。

授業の例と一般的な定義も分けます。今回の「中央値は12」は、この五つの値に対する答えです。別の数値の問題でも12と答えないように、質問側にもデータを残しました。

一問一答では、答えを見る前に説明する

内容を確認したら、同じデッキの「学習スタート」から一問一答を選びます。質問を見て、答えを声に出すか手元のメモに書いてから、「答えを見る」を押します。録音を流しながら答えを探す時間と、何も見ずに思い出す時間を分けてください。

音声から作ったカードをMemlyの一問一答で表示。平均値と中央値が違う理由を、答えを隠したまま考える画面
録音から作った説明カードを、答えを隠して表示しています。撮影のためのデモで、成績や学習効果の測定ではありません。

平均値の計算はできても、中央値との違いを説明できなかったなら、元の音声の該当箇所へ戻ります。説明を確認した後は音声と原稿を閉じ、もう一度自分で答えます。復習で詰まった箇所を手がかりにすると、次に聞く範囲を選べます。

理由の説明が長くなりすぎるときは、定義や前提を別のカードに分けます。カード作成と修正の考え方は間違えた問題を暗記カードにする方法でも紹介しています。

聞き直しに問いを加える研究と、その限界

Szpunarら(2013)は、大学生が動画講義を見る実験で、途中に記憶テストを入れると、講義と無関係な考え事が減り、学習成績が改善したと報告しました。一方、Welhafら(2022)の実験では、途中のテストで無関係な考え事は減ったものの、効果は小さく、学習成績への効果を支持する統計的な証拠は得られませんでした。

どちらも、この記事の「録音を後からMemlyへ取り込む手順」そのものを検証した研究ではありません。問いを入れれば必ず成績が上がるとは言えません。ここでは、説明できなかった内容を見つけ、原音や教材に戻るための方法として使います。

まずは、説明し直したい一つのテーマから

今日の授業から「聞けば分かるけれど、自分では説明できない」テーマを一つ選びます。許可された音声を取り込み、用語と条件を確かめ、数枚の問いにして答えてみてください。Memlyでは、教材の取り込み、カードの確認・編集、一問一答での復習を続けて行えます。

音声を使った復習全体の考え方は音声学習の効果と使い方で、AIで教材をカードにする仕組みはAIによる暗記支援の解説で紹介しています。

Memlyの無料プランで、自分の教材を一つ試せます。登録にクレジットカードは不要です。AIは初回の利用枠があり、毎月の補充はありません。

参考資料とデモ教材

#授業 録音#暗記カード#音声学習#一問一答#Memly
橘 恒一
橘 恒一
Memly CMO

Memly CMO。日本および海外市場でEdTech・B2Cサブスクリプションの成長を担当。プロダクトローカライゼーション、クリエイターマーケティング、ユーザー定着施策を専門としています。

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