試験まであと1ヶ月。ここからの30日の使い方が、合否を大きく分けます。なのに多くの受験生は、この30日を「まだ読み終えていないテキストの続き」に使ってしまいます。新しい知識を入れ続けた結果、本番形式の練習も、覚えたはずの範囲の維持も間に合わず、直前1週間でパニックになります。毎年、宅建や行政書士の受験生が同じ形で失点しています。
資格試験までの最後の30日は、「入れる」から「出す」へ切り替える期間になります。宅建(10月)や行政書士(11月)なら、ちょうど今から使えます。
試験1ヶ月前にやるべきは、(1)1週目で新規インプットを凍結してカード化を完了し、(2)2〜3週目は過去問を本番形式で解いて間違いだけをカードに追加し、(3)最終週は弱点カードの圧縮と睡眠の確保に充てることです。
試験1ヶ月前は何から始めるべきか
1ヶ月前の最大の決断は、新規範囲の凍結です。ここから新しい章に手を出しても、覚え切る前に本番が来ます。例外は「配点が大きく、かつ頻出」の未着手範囲だけ。それ以外は、もう行列に入れません。凍結した分の時間は、すでに覚えた範囲を思い出せる状態で試験日まで運ぶことに使います。
90日ある場合の全体設計は「試験3ヶ月前からの勉強法」で解説しました。3ヶ月プランを走ってきたなら、ここがその最終コーナーです。
30日を逆算した週ごとの役割
凍結して空いた時間を、4つの週に割り振ります。
| 週 | 主な仕事 | やらないこと |
|---|---|---|
| 1週目(D-30〜24) | 新規凍結の判断。残す範囲のカード化を完了。復習の行列を整える | 新しい章の通読 |
| 2週目(D-23〜17) | 過去問を本番形式(時間を計って)で解きます。間違いを分類し、知識の穴だけカード追加 | 解きっぱなし |
| 3週目(D-16〜10) | 過去問2〜3回分+弱点カードの反復。時間配分の型を固める | 正解した分野の周回 |
| 最終週(D-9〜前日) | まだ落とすカードだけを圧縮反復。生活リズムを試験時間に合わせ、睡眠を守る | 徹夜、新規知識 |

なぜ2〜3週目は過去問中心なのか
過去問は本番と同じ形をした想起練習だからです。読み返しでは育たない「制限時間内に思い出して使う力」は、出題形式の演習でしか鍛えられません。ただし点数が伸びるのは解いたあとの処理で、間違いを「知識の穴/適用ミス/ケアレス/時間切れ」に分類し、知識の穴だけをカードに変えます。分類しないまま解き直すと、時間配分の失敗を知識不足と取り違えて対策を外します。解きっぱなしにしない手順は「過去問の使い方」で詳しく解説しています。
復習の間隔にも根拠があります。Cepedaら(2008)の大規模実験(n=1,354)では、覚えていたい期間の10〜20%程度の間隔で復習すると効率が良いことが示されました。試験まで30日なら、およそ3〜6日おきに同じ弱点へ戻る計算になります。毎日同じ範囲を舐め直すより、数日あけて戻るほうが定着します。この間隔の管理は自分でやらず、間隔反復アルゴリズムに任せればいいです。

最終週は増やさず、削って、寝る
最終週の仕事は「まだ落とすカード」の圧縮だけです。すでに安定して思い出せるカードは、アルゴリズムが間隔を伸ばしてくれるので放っておいていいです。前日に全範囲を読み返したくなる衝動は、不安の解消にはなっても点数にはなりません。残り3日を切ったときの動き方は「試験3日前からの暗記法」に別途まとめています。

Memlyで30日プランを回す
- 1週目のカード化を一気に終わらせる:残すと決めた範囲のテキスト・過去問解説を撮影またはPDFで取り込めば、AIが問いと答えのカードにします。自社調査(n=648)ではカード作成時間が98%短縮されました。
- 3〜6日おきの「戻り」を自動化: FSRSがカードごとに最適な間隔を計算し、弱点ほど短い間隔で出題します。
- Web・iOS・Android対応:過去問演習は机で、弱点カードの反復は通勤・通学中に回せます。
AIによる暗記支援の全体像はピラー記事「AIによる暗記支援とは?仕組み・効果・おすすめツールを徹底解説」で解説しています。
30日前の今日、最初に凍結する
多くの受験生は、明日もまた新しい章を開きます。「全部やらないと不安」という気持ちが、最後の30日を薄く広く溶かしていきます。受かる人はこの時期に、覚えない範囲を決めて出す練習へ切り替えています。
今日やることはひとつ。「ここから先は新規で覚えない」という線を教材に引きます。線の内側を撮影してカードにすれば、残り30日の行列は今日から動き出します。直前1週間で慌てるかどうかは、この線を今日引けるかで決まります。Memlyはクレジットカード不要で今すぐ試せます。
