ChatGPTで暗記カードを作る手順は、教材を渡す、問いと答えを確認する、保存先を決めて復習するの3段階です。この記事では、そのまま使える指示文と、作ったカードをAnkiやMemlyへ移す方法を説明します。
最終更新: 2026年6月。本記事はMemly編集部が、記憶研究の主要論文(Ebbinghaus 1885、Roediger & Karpicke 2006、Cepeda et al. 2008、Dunlosky et al. 2013)とFSRSの実装知見、そしてMemly利用者の学習データをもとにまとめました。
初めてなら、まず5枚だけ作り、内容を確認してください。Ankiを使っている方はCSV取り込み、対応するAIからMemlyへ直接保存したい方はMCP連携へ進みます。最初から両方を設定する必要はありません。
結論:ChatGPTで暗記カードは作れる。問題は「その後」にある
ChatGPTには、教材からカードの下書きを作り、表形式へ整える作業を頼めます。ただし、会話に文章として残すことと、カードごとの復習履歴を管理することは別です。長く使うなら、あとで開いて答えられる保存先を決めます。
この記事で使うCSVは、表の内容を行と列で保存するテキスト形式です。MCPは、AIから外部アプリへ接続するための仕組みです。CSVではファイルを読み込み、MCPでは接続後にAIへ保存を依頼します。
ChatGPTで暗記カードを作る取り組みは、大きく3つの段階に分けられます。つまずくのは、そのうち後ろの2つです。
| 段階 | やること | ChatGPT単体での状態 |
|---|---|---|
| 1. 生成 | プロンプトでカードを作る | 得意。数秒で大量に作れる |
| 2. 保存 | カードを失わない形に残す | 手作業でコピペ/CSV書き出しが必要 |
| 3. 復習 | 最適な間隔で繰り返し出題する | この手順では、復習予定を自分か別アプリで管理 |

ChatGPTで暗記カードを作る方法と基本プロンプト
ChatGPTでの暗記カードの作り方(基本の手順)
指示があいまいだと、説明が長すぎたり、1枚に複数の質問が混ざったりします。「1枚で何を問うか」と「どの形式で出力するか」を決めておきます。次の指示文の最後に教材を貼り付けて使ってください。
次の文章から暗記カードを作ってください。
条件:
1. 1枚で問う概念は1つだけ。
2. 表面は短い質問、裏面は元資料なしでも分かる簡潔な答え。
3. 用語・固有名詞・数値は教材どおりに残す。
4. 「表面|裏面」の形式で、1行に1枚ずつ出力する。
【ここに教材テキストを貼り付け】このプロンプトを貼ると、実際には次のような形でカードが返ってきます。
- 細胞の主なエネルギー通貨は何か?|ATP(アデノシン三リン酸)
- ミトコンドリアの主な役割は?|ATPを合成する細胞内小器官
- 光合成が主に行われる細胞小器官は?|葉緑体
この「表面|裏面・1行1枚」の指定により、後述するCSV書き出しやアプリ取り込みがスムーズになります。さらに目的別に、次のように頼み方を変えると精度が上がります。
- 英単語・語学: 「この英文記事から重要単語を15枚、例文付きで。表面は単語、裏面は意味と例文」→ 出力例: 「ephemeral|短命の、はかない。例文: The fame was ephemeral.」「resilient|回復力のある。例文: She is resilient under pressure.」
- 資格試験・専門知識: 「この説明から暗記すべき定義と判断基準を、それぞれ1枚ずつカードに」→ 出力例: 「善管注意義務とは?|善良な管理者として通常期待される注意を払う義務」
- 歴史・暗記科目: 「年号と出来事を対にして、ひっかけ防止のため似た年号は別カードに」→ 出力例: 「1192年の出来事は?|源頼朝が征夷大将軍に任じられた」
教材がPDFや画像・スクリーンショットの場合でも、対応プランのChatGPTならファイルを貼り付けて「この資料から暗記カードを作って」と頼めます。紙の参考書を撮影した画像から要点カードを起こす、といった使い方も可能です。
Dunlosky et al.(2013)のレビュー(主要な学習法10種を効果量で比較したメタ的レビュー)は、「練習テスト(自己テスト)」と「分散学習(間隔をあけた復習)」を、効果が高く汎用的な2大手法として位置づけました。ChatGPTで作るカードは、この「練習テスト」の素材として理想的です。あとはそれを「分散学習」に乗せられるかどうかが勝負になります。AIでカードを作る流れ全般は「AIフラッシュカードの作り方」でも詳しく扱っています。
良いカードと悪いカードの違いをBefore/Afterで見る
プロンプト次第で、同じ教材から生まれるカードの質は大きく変わります。Bjork & Bjork(2011)が「望ましい困難(desirable difficulties)」として論じたように、想起にほどよい負荷がかかるカードほど記憶に残りやすいです。逆に、答えが表面から透けて見えるカードや、複数の論点を詰め込んだカードは、復習しても定着しにくいです。
| 観点 | 悪いカード(Before) | 良いカード(After) |
|---|---|---|
| 粒度 | 1枚に3つの論点を詰め込む | 1枚1概念に分割する |
| 表面 | 「江戸時代について」など漠然 | 「享保の改革を行った将軍は?」と具体的 |
| 裏面 | 段落まるごとで長すぎる | 核心だけを1〜2文で簡潔に |
| 想起負荷 | 表面に答えのヒントが混入 | 思い出す負荷を適度に残す |
ChatGPTに作らせたカードは、必ず一度自分の目で確認してください。AIは流暢にもっともらしい答えを書くため、固有名詞や数値が微妙にずれることがあります。「保存する前に、表面と裏面を一覧で見せて」と頼み、誤りがあればその場で直すのが安全です。
すでに会話にあるカードを、そのまま保存する
すでに内容を確認したカードは、元の教材から作り直さず、同じ会話で保存や形式の変更を依頼します。接続済みかどうかで、次のどちらかを選びます。
- MCP連携が使える場合: 後述のMCPを接続したうえで、同じ会話で「上に出ている10枚のカードを英単語デッキに保存して」と頼めば、すでに表示済みのカードもそのまま保存できます。作り直しは不要です。
- MCPが使えない場合: まず「上のカードを、表面と裏面のカンマ区切りCSVで出力して」と頼み、その会話分だけを一括でCSVに書き出します。これでタブを閉じても失われない形にしてから、次章の手順でAnkiなどへ取り込みます。
どちらの場合も、すでに出ているカードは作り直さないほうが速いです。同じ教材を渡しても、生成のたびに文言はぶれます。画面にある内容をそのまま保存先へ流せば、そのブレも防げます。
生成したカードをCSVに書き出してAnkiに入れる
Ankiを使う場合は、カードをCSVファイルにして読み込めます。ここではPC版での基本的な流れを示します。まず数枚で試し、表裏が正しく対応することを確かめてください。
- ChatGPTに「上のカードを、表面と裏面をカンマ区切りのCSV形式で出力して。各フィールドはダブルクオートで囲んで」と頼みます。引用符で囲むのは、答えの中にカンマがあっても列を分けないためです。
- 出力をコピーし、テキストエディタに貼って、文字コードをUTF-8にして、.csvファイルとして保存します。 文字コードは、文字をファイルに記録する方式のことです。読み込んだ後に日本語が崩れていたら、この設定を確認します。
- Ankiを開き、「ファイル」→「読み込み」でCSVを選びます。
- 読み込み画面で「区切り文字」をカンマに、ノートタイプを「基本」にし、保存先のデッキを指定します。
- 1列目を「表面」、2列目を「裏面」に対応づけて取り込みます。取り込み後に数枚開き、質問と答えの向きを確認します。
この方法はコストがかからず、Ankiの資産をすでに持つ人には相性が良いです。区切り文字でつまずく場合は、ChatGPTに「カンマではなくタブ区切りで出力して」と頼み、Anki側でも区切り文字をタブに合わせると安定します。それでもカードを追加するたびに「コピー→保存→読み込み→フィールド確認」を毎回繰り返す手間は残ります。Ankiそのものの設定に手こずる場合は「Ankiが難しい・挫折した人へ」も参考になります。
MCPで確認したカードをMemlyへ直接保存する
MCP(Model Context Protocol)を使うと、対応するAIから外部アプリへカードの保存を依頼できます。会話履歴が消えるから必要なのではなく、確認したカードを復習用のデッキへまとめる手間を減らすために使います。
Memlyは、このMCPに対応した公式のリモートMCPサーバーを提供するAI暗記アプリです。AIクライアントの接続URL欄に https://app.memly.ai/mcp を入力し、OAuth認証(自分のアカウントへの接続を承認する手続き)を行うと、ChatGPTやClaudeで作ったカードをコピペなしでそのままMemlyのデッキに保存できます。保存前に内容と保存先を確認してください。
保存したカードの復習日は、FSRSという仕組みが回答履歴から計算します。MCPが保存の接続、FSRSが復習日の管理という役割分担です。
- 接続: ChatGPTのコネクタ設定にMemlyのMCP接続URLを追加する
- 承認: 表示された自分のMemlyアカウントをOAuthで承認する
- 依頼: 「この説明を5枚のカードにして、英単語デッキに追加して」と頼む
- 復習: Memlyがカードを保存し、FSRSが復習日を自動で組む

実際の動きとしては、ChatGPTで「この英文から重要単語を10枚作って、そのまま英語デッキに保存して」と一度頼むだけで、生成されたカードがMemlyのデッキに並び、保存した瞬間からFSRSが復習スケジュールを組み始めます。あとはWebでもスマホアプリでも、スキマ時間に出てきたカードを答えるだけでよいです。
ChatGPTとClaude、どちらで使えるか
接続条件は、AI側とMemly側を分けて確認します。ChatGPTやClaudeでMCPを使えるかは、プラン、設定、利用環境によって変わります。一方、Memlyへカードを追加・編集するMCP操作には、MemlyのPlusまたはProが必要です。
- 接続できる場合:保存先とカード内容を確認し、同じ会話で保存を依頼します。
- 接続項目がない、または設定で止まった場合:先にCSVで保存し、利用しているAIの接続条件を確認します。カードを作り直す必要はありません。
Memly側の接続手順や、検索・表示と追加・編集の違いは「Memly MCP連携とは?ChatGPTで作った暗記カードを直接保存」にまとめています。実際の設定画面はMemlyのMCP接続ガイド(URLを1行つなぐだけ)を見てください。
「保存して復習」まで必要な理由と間隔反復の科学
ChatGPTでカードを作る本当の目的は、カードを作ることではありません。覚えた内容を「忘れないこと」です。そして記憶研究は一貫して、復習のタイミングが定着を左右することを示しています。
Cepedaら(2008)の研究は、復習の間隔を適切にあけることが、後日の記憶保持に役立つことを示しました。これが分散効果です。
Roediger & Karpicke(2006)の実験では、学習直後は再読が上回る場合がある一方、時間をおいたテストでは思い出す練習の成績が高くなりました。学習直後と後日の結果を区別して読むことが重要です。
復習日を計算するFSRSの仕組みやSM-2との違いは「FSRSとSM-2の比較」で扱っています。
| アプローチ | カードの行き先 | 1ヶ月後の状態 |
|---|---|---|
| 作って会話に放置 | 履歴の奥に埋もれる | 大半を忘れる(忘却曲線) |
| 作って保存・間隔反復 | デッキに蓄積され出題される | 復習で記憶が再強化される |

生成にかかった時間と、あとで答えられるかは別の確認項目です。数枚のカードを作ったら、翌日にも答えを見ずに試し、間違えた内容を復習へ戻してください。
ChatGPT単体・Anki取り込み・Memly連携を比較
3つのアプローチは、生成の得意さでは横並びです。差がつくのは保存の手間、復習アルゴリズム、そして既存データの扱いになります。
| 比較項目 | ChatGPT単体 | ChatGPT→Anki(CSV) | ChatGPT→Memly(MCP) |
|---|---|---|---|
| カード生成 | 得意 | 得意 | 得意 |
| 保存 | 手作業コピペ | CSV書き出し→取り込み | 会話から直接保存 |
| 復習アルゴリズム | なし | Anki(既定SM-2/設定でFSRS) | FSRS(自動・設定不要) |
| 端末をまたぐ同期 | 会話履歴のみ | AnkiWeb同期に依存 | Web/モバイルで同期 |
| 更新の手間 | 毎回手作業 | 毎回CSV作業 | 会話で頼むだけ |
| 料金 | ChatGPTの料金のみ | PCは無料(iOSアプリのみ有料) | 無料枠あり/書き込みはPlus・Pro |
| 共有デッキ・既存資産 | なし | 膨大な共有デッキ・アドオン | 限定的(自分のデッキ中心) |
| オフライン利用 | 不可(要ネット) | 完結できる(PC) | 復習はアプリ、保存は要ネット |

AnkiをすでにPCで使い、既存のデッキを活かしたいならCSV取り込みが選択肢になります。会話からMemlyへ直接保存したい場合は、接続条件を確認してMCP連携を試します。
Ankiにも、設定でFSRSを使う方法や、第三者製のMCP連携があります。接続方法の違いは「Anki MCPとの違いは?セットアップ不要でClaude連携できる暗記アプリMemly」で手順レベルまで比較しています。
ChatGPTで暗記カードを作るときの注意点と実運用Tips
続かなくなる原因は、たいてい1回に作りすぎたか、保存先を決めていないかのどちらかです。
- 1回の生成枚数は10〜20枚を目安に: 一度に大量生成すると確認が雑になり、誤りを見逃しやすいです。教材を区切って小分けに作ります。
- デッキ命名規則を決める: 「英語/長文単語」「資格/民法」のように分野で分けておくと、後から復習対象を選びやすくなります。
- 復習通知を設定する: 必要に応じてアプリ側の通知を使い、復習を始める時間を決めます。
- 「作って終わり」にしない: 生成内容を確認して保存し、あとで答えを見ずに試します。
よくある質問
ChatGPTだけで暗記カードを管理できますか?
会話の中でカードを作り、確認する使い方はできます。カードごとの復習結果や次回の日付を継続して管理したい場合は、専用アプリへ保存する方法も検討してください。この記事ではCSV取り込みとMCP連携を紹介しています。
すでに会話に表示されているカードを作り直さずに保存できますか?
できます。MCPを接続済みなら「上に出ているカードをこのデッキに保存して」と頼めば既存分もそのまま保存されます。MCPが使えない場合は「上のカードをカンマ区切りCSVで出力して」と頼み、その会話分をまとめてCSVに書き出してから取り込めば、作り直さずに救い出せます。
ChatGPTで作ったカードをAnkiに入れる一番簡単な方法は?
ChatGPTに「各フィールドをダブルクオートで囲んだカンマ区切りCSVで出力して」と頼み、その出力をUTF-8で.csvとして保存し、Ankiの「読み込み」機能でインポートします。区切り文字をカンマに、1列目を表面、2列目を裏面にマッピングすれば完了です。日本語が文字化けする場合は保存時の文字コードがUTF-8になっているかを確認してください。
カードを毎回コピペせずに保存する方法はありますか?
あります。MemlyのMCP連携を使うと、ChatGPTやClaudeで作ったカードを会話からそのままMemlyのデッキへ直接保存できます。接続はリモートMCPのURLを1つ入力してOAuth認証するだけ。以降はコピペもCSV書き出しも要りません。
ChatGPTの無料プランでも暗記カードは作れますか?
利用できる入力形式や上限は、ChatGPT側のプラン・設定を確認してください。教材から文章としてカードを作ることと、MCP経由で外部アプリに保存することは別の操作です。接続できない場合でも、生成した内容をCSVとして保存する方法があります。
AI単語帳とAnkiのような従来アプリは何が違いますか?
最大の違いはカード作成の自動化と、設定の手間です。AI単語帳は教材から自動でカードを生成できます。復習アルゴリズムについては、Ankiも現在は設定でFSRSを利用でき(既定はSM-2)、性能差は以前ほど大きくありません。Memlyの差別化はアルゴリズムの新しさにはありません。AIクライアントからの直接保存、ゼロ設定、Web/モバイル同期の3点です。アルゴリズムそのものの比較は「FSRSとSM-2のアルゴリズム比較」で詳しく扱っています。
まとめ:ChatGPTのカードを、忘れない知識に変える
ChatGPTで下書きを作り、教材と照合してから、普段使う保存先へ移します。生成、確認、保存、復習を分けると、どこまで終わったかを見失いにくくなります。
まずは5枚だけで試してください。すでにAnkiを使っていればCSV取り込みへ、AIから直接Memlyへ保存したい場合はMemlyのMCP接続ガイド(URLを1行つなぐだけ)へ進みます。設定が難しい日は、先にCSVとして保存しておいても構いません。
まずは無料でMemlyを試してみましょう。Memlyのアカウントを無料で作ると、支払い登録なしでカード作成から復習まで一通り試せます。なお、MCP経由でカードを直接保存(書き込み)するのはPlus/Pro向けの機能で、無料のTrialではMCPからのカード参照までとなります。
AIによる暗記支援の全体像をもう少し知りたい人は、関連記事「AIによる暗記支援とは?仕組み・効果・おすすめツールを徹底解説」もあわせて読んでください。
