この記事はMemlyの運営チームが書いています。比較にはMemlyも含みます。料金と機能は2026年10月4日に各社の公式ページで確認しました。
Anki MCPは、ClaudeやChatGPTから自分のAnkiにカードを入れる第三者製のオープンソースの仕組みで、Anki本体とアドオンを入れ、PCでAnkiを開いておくのが前提です。claude.aiやChatGPTのWeb版から使うときは、AnkiMCPの中継(トンネル)を通します。Memly MCPはMemly公式のリモートMCPで、AIの設定にURL https://app.memly.ai/mcp を登録して承認すればつながります。ただし、カードの保存にはMemlyのPlusかProが必要です。手元のAnkiのデッキを生かしたいならAnki MCP、PCでの準備なしにWebとスマホで復習まで続けたいならMemly MCPが向きます。
「ClaudeやChatGPTで作った暗記カードを、そのままフラッシュカードアプリに入れたい」。そう考えてAnki MCPにたどり着き、アドオンの導入や、Web版のAIとつなぐための中継の設定で、本題の暗記にたどり着く前に手が止まった人は少なくありません。せっかくAIがカードを作っても、つなぐ準備でつまずけば、カードは会話画面に置いたままになります。
以前はngrokなどで中継を自分で用意する手順がよく紹介されていましたが、2026年10月時点では、AnkiMCPのアドオンに中継の機能が入り、手順はかなり短くなっています。では、Anki MCPとMemly MCPのどちらを選べばよいのでしょうか。手元にAnkiのデッキが数千枚ある人と、これから作り始める人とでは、同じ手間でも重さがまるで違います。
Anki MCPとは?できることと前提条件
Anki MCPは、AIアシスタントがMCP(AIのアプリから外部のサービスを操作するための共通の仕組み)を通じてAnkiのカードを作成・編集・検索できるようにする、第三者製・オープンソースのMCPサーバーです。代表的な実装はAnkiMCPで、ほかにClankiなどがあります。AnkiMCPは、Ankiの開発元とは関係のない、独立したコミュニティのプロジェクトです。
AnkiMCPの使い方は、2026年10月4日時点で3つあります(AnkiMCPの料金ページと公式の手順で確認)。
- 同じPCのAIアプリとつなぐ:無料です。Claude DesktopやClaude Codeなど、Ankiと同じPCで動くAIアプリから使います。AnkiMCPのアドオン(コード124672614、Anki 25.07以降)か、AnkiConnectアドオンと組み合わせるコマンドライン版を使います。
- claude.aiやChatGPTのWeb版、スマホからつなぐ:AnkiMCPのアドオンで中継をつなぎ、AnkiMCPにサインインして、中継のURLをAIに登録します。中継の無料枠は、サインインした接続で月100回までで、24時間使わないと切れます。カードを10枚入れる依頼が10回と数えられることもあります。上限をなくすPlusは月5ドルです。
- PCを閉じていても使う:月15ドルのProに含まれるHosted Ankiで、Anki本体をAnkiMCPのクラウドで動かします。
どの方法でも、カードの保存先はAnkiのコレクションです。Hosted Ankiを使わない場合は、PCでAnkiを開いている間だけ、AIからカードを入れられます。
Anki MCPでつまずきやすい3つのポイント
Anki MCPは自由度が高い一方、暗記を始めるまでに越えるハードルが3つあります。
1. Ankiを開いたままにする
中継は、PCで動いているAnkiにメッセージを渡すだけです。Ankiを閉じている間や、PCの電源が切れている間は、AIからカードを入れられません。外出先のスマホから頼むなら、家のPCでAnkiを開いておくか、有料のHosted Ankiを使います。
2. Web版AIとつなぐには中継が要る
claude.aiやChatGPTはクラウドで動くため、自分のPCのAnkiには直接届きません。今はAnkiMCPのアドオンに中継の機能があり、ボタンとサインインでつなげます。その代わり、AnkiMCPのアカウントが要り、無料枠には月の回数の上限があります。
3. 開発者寄りのセットアップ
コマンドライン版は、Anki本体(2.1.x以上)にAnkiConnectアドオンを入れ、Node.js(22.12以降)を用意するのが前提です。公式の手順は英語とポルトガル語で、日本語の案内はありません(10月4日に確認)。逆に言えば、こうした環境に慣れた人にとっては、Claude Codeなどの開発ツールとも組み合わせられる、自由度の高い選択肢でもあります。
Memly MCPとAnki MCPを一覧で比較
同じ「AIで作ったカードをMCPで入れる」でも、カードの置き場所と、つなぐまでの準備が違います。表は2026年10月4日に、AnkiMCP、Anthropic、OpenAI、Memlyの公式ページで確認した内容です。
| 比較項目 | Anki MCP | Memly MCP |
|---|---|---|
| 提供元 | 第三者(AnkiMCP、Clankiなど)・オープンソース | Memly公式 |
| 接続方式 | 同じPCなら直接、Web版AIからは中継を通す | リモートMCP(URL+OAuth) |
| 必要な準備 | Anki本体+アドオン、Ankiを開いたまま | Memlyアカウントのみ |
| Web版AIとの連携 | AnkiMCPの中継を登録(無料枠は月100回) | URLを登録して承認 |
| 対応AI | Claude(Web・デスクトップ・Code)、ChatGPT、開発ツールなど | Claude、ChatGPTなどリモートMCPに対応したAI |
| 復習アルゴリズム | Ankiの設定(SM-2かFSRS) | FSRS |
| 端末をまたぐ同期 | AnkiWebの同期 | Web・iPhone・Androidで同期 |
| 料金 | 同じPCなら無料。中継の上限なしは月5ドル、Hosted Ankiは月15ドル | 参照は無料、保存はPlus・Pro |
| データの保管 | 自分のPC(Hosted AnkiはAnkiMCPのクラウド) | Memlyのクラウド |
9項目のうち、あとから変えにくいのは「必要な準備」の行です。Anki本体を起動したままにしておけるかどうかは、機能の話ではなく、その人の使い方の習慣に縛られます。
セットアップの違いはローカル構築かURL1つか
差が最も出るのが接続の手順です。claude.aiで使う場合を並べると、次のようになります。
| 段階 | Anki MCP(AnkiMCPのアドオンと中継) | Memly MCP |
|---|---|---|
| 1 | Anki(25.07以降)を入れて開く | Memlyにログインする(保存するならPlusかPro) |
| 2 | アドオン(コード124672614)を入れてAnkiを再起動 | claude.aiの「カスタマイズ」→「コネクタ」→「追加」→「カスタムコネクタを追加」 |
| 3 | アドオンの設定で中継をつなぎ、AnkiMCPにサインイン | 名前とURL(https://app.memly.ai/mcp)を入れて追加 |
| 4 | claude.aiに中継のURLをカスタムコネクタとして登録し、AnkiMCPで承認 | Memlyの画面で自分のアカウントを確かめて承認 |
AIに登録する部分は、どちらもURLを入れて承認する形で、大きな差はありません。差は、その前にAnkiとアドオンと中継を用意するかどうかと、使うたびにAnkiを開いておくかどうかです。Memly MCPはクラウド上のリモートMCPサーバーなので、PCでの準備もAnkiの起動も要りません。
ChatGPTで使う場合は、どちらもWeb版で、設定の「セキュリティとログイン」から開発者モードをオンにしたうえで、プラグインの画面からMCPのアプリを作ります。どのプランでカードの書き込みまでできるかは、OpenAIの公式ページの間で書き方が分かれています。開発者向けドキュメントは開発者モードの対象をPro・Plus・Business・Enterprise・Eduとしていますが、ヘルプセンターの記事は、書き込みを含むMCPの全機能はBusiness・Enterprise・Eduのみで、Proは読み取りの接続まで、と書いています(どちらも2026年10月4日に確認)。書き込みまで使えるかは、ChatGPTのプランと設定によって変わります。書き込めないときは、ChatGPTにカードをCSVで出してもらい、AnkiかMemlyに取り込めばカードは残せます。Claudeは無料プランでもカスタムコネクタを1つ追加できます(Claudeのヘルプ)。Memly側の詳しい接続手順はMemly MCPの接続ガイドにまとまっています。全体像は「Memly MCP連携とは?ClaudeやChatGPTで作った暗記カードを直接保存」で解説しました。
FSRSとモバイル同期で分かれる復習体験の違い
カードを入れた後の体験も異なります。Anki MCPで入れたカードはAnki本体で復習するため、復習体験はAnkiの設定と運用に左右されます。Ankiも23.10以降はFSRSを内蔵しており、設定で切り替えられます。Memly MCPで保存したカードは、最新の間隔反復アルゴリズムFSRSがクラウドで一元管理し、Web版でもスマホアプリでも同じ進捗で復習できます。
通勤中はスマホ、自宅ではPCというように、端末をまたいでも続きから復習できるのは、クラウド同期型のMemlyの強みです。Ankiも、AnkiWebで同期すれば同じように使えます。ただしiPhoneとiPad版のAnkiMobileは有料で、App Storeでは4,000円でした(2026年10月4日に確認)。FSRSの仕組みは「Memly×FSRS6.0の解説」で詳しく扱っています。
料金とデータの扱いの違い
Anki MCPは、同じPCのAIアプリから使う分は無料・オープンソースで、データは自分の端末内に保管されます。外部にカードを預けたくない人や、すでに大量のAnki資産を持つ人には大きな利点です。Web版のAIやスマホから使う中継には無料枠があり、上限をなくすPlusが月5ドル、Hosted Ankiを含むProが月15ドルです(AnkiMCPの料金ページ、2026年10月4日に確認)。Hosted Ankiを使う場合は、カードもAnkiMCPのサーバーに置かれます。
Memly MCPは、デッキやカードの参照は無料、追加・編集・削除・復元などの書き込み操作はPlus/Proという料金体系で、データはMemlyのクラウドに保管されます。Web版の料金はPlusが月500円(年4,800円)、Proが月1,000円(年9,600円)です(Memlyの料金表)。代わりに、環境構築なしで複数端末から使え、AI連携が標準で整っています。無料か有料かではなく、「自分で環境を持つ自由度」と「設定不要の手軽さ・同期」のどちらを取るかという選択です。
どちらを選ぶべきか
分かれ目は、Ankiの資産をすでに抱えているかどうかです。
- Anki MCPが向く人: すでにAnkiで大量のデッキを運用している/データを自分のPCに置きたい/Claude DesktopやClaude Codeなど、Ankiと同じPCのAIから使う
- Memly MCPが向く人: PCでの準備に時間をかけたくない/Web版のClaudeやChatGPTから使いたい/スマホとPCで同期して復習したい/AI生成からFSRS復習までを1つの流れにしたい
Ankiを使い込んでいて、今のデッキと設定をそのまま使い続けたい人には、Memly MCPは向きません。MemlyはAnkiの.apkgファイルを読み込めず、移せるのはCSVで表と裏の文字だけです。学習履歴、画像、音声、穴埋めの形式は引き継がれません。

Ankiそのものが難しいと感じている場合は、MCP以前にアプリの相性を見直す価値があります。「Ankiが難しいと感じた人向けの、代わりになるアプリの比較」や、iPhone版だけが有料になる理由をまとめた「Ankiの料金」も判断材料になります。
MemlyのMCPを試す手順
Memly MCPを試すのに、ローカル環境は要りません。次の手順で数分で接続できます。
- Memlyのアカウントを作成し、ログインします。接続と参照は無料プランのままでき、カードの保存にはPlusかProが必要です。
- Claudeでは「カスタマイズ」→「コネクタ」→「追加」→「カスタムコネクタを追加」、ChatGPTでは開発者モードをオンにしてプラグインの画面からMCPのアプリを作り、URLに https://app.memly.ai/mcp を入力します。
- 認証の設定は、AIが自動で読み取った内容(OAuth)のまま進めます。Memlyの画面が開いたら、自分のアカウントであることを確かめて承認します。
- AIに「この内容を5枚のカードにして、◯◯デッキに追加して」と頼みます。保存の前にAIが表示する内容とデッキ名を確かめます。
無料で始めて、MCPのURLを接続する(接続と参照は無料プランのまま。カードの保存はPlus・Pro)。設定画面の写真つきの手順はMemly MCPの接続ガイドにあります。
よくある質問
Anki MCPは無料、Memly MCPは有料なの?
Anki MCP(AnkiMCP)は、同じPCのAIアプリから使う分は無料・オープンソースです。claude.aiやChatGPTのWeb版から使う中継には無料枠があり、上限をなくすPlusは月5ドルです(2026年10月4日に確認)。Memlyも参照(デッキやカードの検索・表示)は無料で、カードの追加・編集・削除などの書き込み操作のみPlus/Proが必要になります。
既存のAnkiデッキをMemlyに移せる?
Ankiのデッキファイル(.apkg)はMemlyに読み込めません。移せるのはCSVで、表と裏の文字だけです。Ankiの「ファイル」→「書き出す」で「ノート(テキスト形式)」を選んで書き出し、表計算ソフトで1行目を front,back にした2列のCSVに整えてから、Memlyのデッキの画面で取り込みます。学習履歴、画像、音声、穴埋めの形式は引き継がれません。移行の考え方は「Ankiの代わりになるアプリの比較」で整理しています。
ChatGPTのWeb版で使える?
どちらもつなげます。ChatGPT側は、Web版で開発者モードをオンにする必要があります。カードの書き込みまでできるプランは、OpenAIの開発者向けドキュメント(Pro・Plus・Business・Enterprise・Edu)とヘルプセンター(書き込みはBusiness・Enterprise・Eduのみ)で書き方が分かれています(2026年10月4日に確認)。Anki MCPはAnkiMCPの中継を通し、PCでAnkiを開いておきます。MemlyはURLを登録して承認すれば、PCでの準備は要りません。ChatGPT側の条件はプランや設定で変わるため、確実に試すならClaudeが手堅いです。書き込めなかったときは、カードをCSVで出してもらって取り込めば残せます。Claudeは無料プランでもカスタムコネクタを1つ追加できます(Memlyでカードを保存するにはPlusかProが必要です)。ChatGPTのフラッシュカード機能で作ったカードを残す方法は「ChatGPTのフラッシュカードの使い方」で比べています。
まとめ:「設定で止まる」をなくす
Anki MCPは自由度と所有感に優れ、すでにAnkiを使い込んだ人には強力です。中継の機能が入って以前より手順は短くなりましたが、Ankiとアドオンを用意し、使うたびにAnkiを開いておく前提は変わりません。Memly MCPは、その関門を取り払い、URLを1つつなぐだけでAIとMemlyを結びます。
会話画面に置き去りになったカードは、1枚も記憶に残りません。次に見直す日が来ても、誰も知らせてくれないからです。AI生成からFSRS復習までを最短でつなぎたいなら、まずはMemly MCPの接続ガイドを開き、ClaudeにMemlyのURLをつないでみてください。アカウントは無料で作れるので、支払い登録なしで接続まで試せます(カードの保存はPlus・Pro)。AIによる暗記支援の全体像は「AIによる暗記支援とは?仕組み・効果・おすすめツールを徹底解説」で確認できます。
出典と確認日
- AnkiMCP「Pricing」、「Connect Claude to Anki」、「Connect ChatGPT to Anki」、「Hosted Anki」(2026年10月4日に確認)
- Clanki(GitHub)(2026年10月4日に確認)
- Anthropic「Get started with custom connectors using remote MCP」(2026年10月4日に確認)
- OpenAI「ChatGPT Developer mode」、OpenAI「Developer mode, apps and full MCP connectors in ChatGPT (beta)」(2026年10月4日に確認)
- Anki Manual「FSRS」、App Store「AnkiMobile Flashcards」(2026年10月4日に確認、4,000円)
- Memly MCPの接続ガイド、Memlyの料金表(2026年10月4日に確認)
